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ちなみに本日の衣装は基本カラーが赤に黒と黄色のわかりやすい配色、赤い彗星仕様の軍服もどきである。だいぶ、攻めている。
「ほんとね、もうそんな時間になっていたのか。しほちゃん、先にお昼に行っていいよ。垣田さんもまだ戻ってきてないし、私はもう少し進めておくから」
その後藤に優しく応対するのは、篠原あかり。
ここのメンバーの中ではやや年上組であり、落ち着いた雰囲気は経験値の高さを物語る。篠原に柔らかくランチへの許可をもらった後藤は、さっさとデスク下からバッグを引っ張り出した。
「本当ですか、ありがとうございますー。では、お先にー。ふふふ、この間に新刊情報をチェックせねばなるまい。おっ、これまた昼から過激な描写が……ええな、ええな、この角度は良いものだ。あっ、いかん、よだれが……」
後藤の言葉遣いは、その日の格好に左右されるところが多い。格好が先なのか順序は不明だが、慣れっこらしい篠原はとくに気にせず微笑みをたたえて見送ると、続けて他の面々に視線を向けた。
「あ、市山さんも先にお昼に行ってね」
そう言われた市山は俯きがちに端末に向かっていたが、篠原の声にノロノロと頭を上げた。
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