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「ミンチ肉って、ちょっとお酒には合わないような気がするんですけど……そういう食べ方もアリなの?」
「気持ちの悪い想像をしないでくださいよ。これから私、お昼を食べるんですから」
「あら、私としたことが気を配れなくて、ごめんなさいね」
部下ふたりの会話の中で垣田は、項垂れていた頭を起こした。
「……そんな、のんびり言ってられるのも、今のうちよ。午後一にチームミーティングをするから、それまでにたっぷり英気を養っておいて。わたしはタバコ休憩に行ってくるから」
「えっ、お昼じゃなくてですか? 下のコンビニ、早くいかないと食べるものがなくなっちゃいますよ?」
篠原のごもっともな言葉だが、垣田は首を横に振るとたばこポーチを手に立ち上がった。
「……いいの、食欲がないから」
そのまま再びオフィスを出て行った。
「なにがあったんでしょう」
「さあ、なんですかね」
一抹の、不安がランチタイムに残った。
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