「いいよ」の声と高鳴る心臓

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「いいよ」の声と高鳴る心臓

『鬼ごっこなんてするわけ無いじゃん』 そう、言葉を発した私・・・ なんて返事が来るかなんて考えていなかった 考えたくなかった 私は、目を閉じて、謝ろうとした その時だった 「そうだよな、鬼ごっこなんてするやつこの年でいねぇーよな」 『え?』 そう聞くように、言葉が出てしまった そして、なにか聞こえたような気がした 「俺は間違ったって意味?」 そう、逆に怖く聞こえた 私は、 『間違ってないよ、でも、私たちは鬼ごっこはしないよってこと』 と、はっきり言ってしまった でも、本当のことだし・・・ そこで、瀬奈と陽向の声が重なった 瀬奈「もう・・・男女分かれようよ」 陽向「間違ってると何がちがう?」 二人の声が一緒になったせいで、いまいちよく聞き取れなかった たぶん、瀬奈は男女別れようと言ったような、そして、陽向はどこが間違ってるのか聞いてきたのかな? よく聞き取れなかった 瀬奈がもっかい口にした 「男女別行動しよ」 「そうだね、そうしよ」 と、すぐに反応したのは結菜だった そして私たちは、男女に別れた 男子グループは、唯斗、陽向 女子グループは、瀬奈、結菜、私だ 花火が始まるまでは、このようなメンバーで別行動をして、花火が始まる5分前に集まることになった。 それでも、花火までには時間が1時間とちょっとある・・・ 何をしようか考えているとき結菜が口を開いた 「じゃあさー、買い物してから、新しく屋台出たみたいだし屋台回ろっか?」 と、言った 私たちは賛成した。 買い物は近くにある、スーパーマーケットでする 喉もかわいたけど、汗も出てるし、涼しむためにもいい場所だ 私は冷たい飲み物を買って、瀬奈は温かいコーヒーを買っていて、結菜は冷たそうな天然水を買ったり色々買った 結菜は、 結菜「瀬奈さー、こんな暑いのに、HOTな飲み物飲むわけ?」 瀬奈「飲むよ」 私『暑くない?』 などと、楽しく過ごしているうちに、時間はすぐ過ぎた もう、花火開始まであと3分 陽向も唯斗も並んで花火を見ようというところ 私は陽向の横にいるから、ドキドキする 伝えることがあった そう思っていて、やっと口が開いた 『さっきはごめん・・・』 そう言いたかった 言えた、よかった、ただ、そう思うだけ 優しく聞こえてきた声にドキッとした 「いいよ」 『ん?聞こえなかったごめん』 ホントは聞こえてた、もっかい聞きたかった 「怒ってないから、いいよ」 と、ほほえんだ陽向 『ありがと』 と、笑顔で笑った私 いいよ、この関係で
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