お掃除しなきゃ、祈らなきゃ

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  「ねぇ、すきだよ」  午後3時。 「内臓全部あげたっていいぐらい、すきだよ」  気持ち良さそうに眠る彼の横顔を見つめながら、いつもの祈りの言葉をひっそりと呟いた。そして、彼を起こさないように静かに口づけをする。それから、ようやく目覚めた彼に「おはよう」と声をかける。  毎日欠かさずやっているこれは、いつも不安で仕方がない私の願掛けのようなものだった。  昇り始めた太陽から目を背けるように午前5時に眠りについた彼は、太陽が沈み出したこの時間に目を覚ます。出勤が遅い仕事だというのもあるけど、ただ単に日光が嫌いらしい。  そして、電気もつけず、カーテンすら閉め切った真っ暗な部屋で、昨日録画したバラエティ番組を見始めた。  せめて電気ぐらいはつければいいのに、とも思うけれど、ケラケラ笑いながら真っ暗な部屋で輝く電光色を見つめている、彼の横顔に浸る瞬間が世界で一番好きだから、そんなこと、本当はどうだっていいのかもしれない。  
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