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急ぎ自分の左手を見たが、そこに指輪はない。
続いてニケに視線を移したがくわえていたはずの指輪もなかった。
「落としたのか?」
慌てて周囲を探すがそれらしきものは見当たらない。
「いや、少なくとも指にはめていたんだ。そう簡単に落とすはずがない」
這いつくばって探したが指輪は見当たらなかった。
「どうなっているのか分からないが、指輪とこの状況に何らかの関連があると考えていいよな」
ニケが咥えた指輪を取り返そうとして、俺の指輪とニケが咥えたた指輪がぶつかった映像が鮮明に蘇る。
間違いない。
直前にあった出来事はあれだ。
そのとき、俺の脳裏に『異世界転移』という単語が浮かんだ。
「漫画やアニメじゃあるまいし……」
書棚に並んだ漫画や小説が脳裏をよぎる。
「まさかここが異世界ってことはないよな……」
背筋がゾクリとした。
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