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たとえ異世界でなかったとしても野生動物に襲われたら、どうやって戦う? いや、どうやって逃げる?
着の身着のままの自分を改めて見た。
戦うための武器がないどころか靴すら履いていない。
街道らしきものはあったが、現代人が裸足で舗装されていない道路をどれだけ歩くことができるのか。
「異世界なら何かチート能力とかあってもいいだろ! 頼む、神様!」
俺は祈るように定番の言葉を口にする。
「ステータスオープ」
恐る恐る目を開けるが何の変化もなかった。
「詰んだな……」
落胆する俺の頬をニケが舐める。
「ミャー」
「お前は気楽でいいよな」
振り向くとニケが俺の顔の高さでフワフワと浮いていた。
「え?」
「ミャー、ミャー」
「浮いてるー!」
座ったまま後退るとニケが空中をフワフワと浮きながら追いかけてきた。
「ミャー」
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