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パンケーキが運ばれてきた。
スフレパンパンケーキで、ふっくらとボリュームのある見た目だった。
「わぁー」クボさんは本当に瞳をキラキラさせながら声をあげた。
「美味しそう!お腹減ってたんです」
クボさんは笑うと八重歯がのぞいて、それがあどけなさを醸した。
「食べなよ。メイプルシロップもあるよ」
ぼくも少し、童心に戻っていた。
「いいですか?なんだかあたしばっかり楽しんでるみたい。一緒に食べませんか?」
「いいの?お腹減ってたんでしょ」
「いいですいいです。あたしだけだと食べきれない」
ぼく達は二人、フォークとナイフを手に取り、とり分け合いながらしばしパンケーキに集中した。それはそれで楽しかった。
自分が何をしているのか、この時にもう半ば忘れていた。
時間は一時間と決められていたのに、かなりの時間をもう消費していた。
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