《ノミ…リメイク…翻弄された人生》

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6《絞殺》 朝8時… 俺は覚醒していた。 いつから眠り続けていたのか? 記憶が無い。 両方の二の腕が重く… 掛け毛布を剥ごうとしたが… 握力が入らない。 「どうしたのかなぁ?」 俺は独り言を呟いた。 そして、テレビリモコンのスイッチをONにした。 するとテレビ画面にニュースが映し出された。 ニュースの内容は殺人事件の内容であった。 俺は特に注目していなかったが… 「おや?」 『昨夜、殺人事件が発生いたしました』 画面左上に「東京都品川区のマンション」と字幕書がかれていて… 『亡くなったのは…』 『五反田、SM風俗店に勤めるノガミマチコさん37歳….』 テレビ画面に「ノガミマチコ」の写真が写し出された。 『首に鬱血した奇妙な跡が見られ…』 『絞殺された疑いがありますが…』 『現在、警察で取調べています』 『部屋は物色された様子が無く…』 『知人関係などから事情を聞いているとの報告を…』 『警察から受けています』 俺は唖然とし思わず呟いてた。 「スザンヌ…」 「ノガミマチコ」は俺が通うSM風俗店の風俗嬢であり… 源氏名を「スザンヌ」としていた。 「スザンヌ」は俺が指名する女の子であった。 先週、水曜日に店に出向きプレーした事が脳裏を過った。 「ターさん、いつも指名ありがとう」 俺は「タダ」である事から「ターさん」と呼ばれていた。 俺がこの店に来るようになったのは俺の欲望をほぼ満たしてくれたからだ… 俺の欲望は限りなく射精する事… そして異常ではあるが下半身… ペニスへの刺激…激痛を与えてくれるこのSM風俗店が俺はお気に入りだった。 そしてもっと気に入ったのが風俗嬢「スザンヌ」であった。 「スザンヌ」はスレンダーなのだが… 巨乳で尻がデカくいやらしい容姿をしていて… 顔はベビーフェイスでそのギャップがたまらなかった… しかし俺が一番惹かれたのは… 言葉責めと下半身ペニスへのいたぶりであった。 「スザンヌ」は俺にとって快楽を与えて… 天国に導いてくれる女神であった。 俺は40分のプレーで4回射精していた。 多い時は5、6回の射精は当たり前であった。 そんな「スザンヌ」が… 俺は目を瞑り… 「スザンヌ…」 「死んだのか…」 俺は虚無感が全身を捉え… たまらない気持ちになっていた。 どのぐらい目を瞑っていたであろうか。 目を開けた瞬間… 脳裏に断片的に「スザンヌ」が現れた。 それは、フラッシュバック映像で「スザンヌ」が悶絶する風景であった。 7《猫》 なぜ、俺の脳裏に「スザンヌ」が現れたのか? 可愛らしいベビーフェイス顔の「スザンヌ」が悶絶し… 顔色はドス黒く変色し… 鬱血していると… それは「絞殺」であり俺は不思議にそれが理解出来ていた。 俺は不安にかられた… 『俺がどうしてこんな事知っているのか?』 『でも俺は「スザンヌ」のマンションなんか?』 『俺は知らない?』 俺は自分を安心させるために独り言を呟いた。 するとなぜか微かではあるが「猫」の泣き声が聞こえきた。 この頃、頻繁に「猫」の泣き声が聞こえてくる様になった。 はじめはあまり意識していなかったが… その泣き声が余りにも刹那く、悲しい… しかし、ある意味悶えてるような? 『確かこのアパートで動物を飼う事は禁止されているはずだが…?』 猫の泣き声は昼夜を問わず聞こえてきた。 すると俺の首筋が疼き始め… 『なんだこの疼きは…』 思わず首筋に手をあてた。 『アッチ…』 俺は大きな声を上げた。 首筋はかなりの熱を帯び「猫」の泣き声と共に脈打つように疼き出した。 俺の額から汗が… 『ヤバイなぁ…』 鏡に首筋を写した。 『何だこれは…』 そこは「ノミ」に刺された場所だった。 刺された場所は「六文銭」のようは跡が… 大きさは直径2センチぐらいあり中心が四角でその中に「ノミ」のような生き物が存在していた。 例えれば、銭形平次が悪い奴に投げつける「お金」の跡だった。 俺は動揺していた… 『どうしてこんな跡が…?』 「猫」の泣き声はまだ続いていた。 額から汗が止めどなく流れている。 その「猫」の泣き声は真下から聞こえるような? 俺は痛みをこらえ「覗き穴」から真下を覗きこんだ… するとそこには衣服を身に付けていない女… 「クリハラサキ」が妖艶に隠微な行為を行なっていた… その行為は自慰であり自分を慰めるように… 労わるように… 表情は白眼を剥き出し陶酔しいた。 俺はその姿を観たその瞬間… 首筋筋の熱が下がっていく… そして自慰終わり項垂れている「クリハラサキ」を確認した時… 俺はパンツ内で射精していた。 そして、「クリハラサキ」が俺が覗く穴を凝視すると… 目が合った錯覚に襲われ俺は目を背けた。 すると、俺は右脚に痛みを感じ… 手で痛みのある右脚に触れるとやはり5センチほどの「ノミ」が手のひらで蠢いていた。 そしていつのまにか… 「猫」の泣き声も聞こえなくなっていた。 8《工事現場》 「ノミ」に刺されたが右脚は特に変化は無かった。 首筋の痛みと腫れは嘘のように治まり… 存在していた六文銭の跡はすっかり消えていた。 『何だったのだろう?』 『でも凄かったなぁ…』 『下の…』 俺はその言葉を発し… 昨日観た「クリハラサキ」をイメージしたが脳裏に… するとなぜか? 出掛けなければ行けない衝動にかられた。 その行動は誰かの指示なのか? 朧げな形で脳裏に現れては消え… 現れては消え… 俺の頭の中で点滅しいた。 その点滅する内容は古い建物… そう大きく無いビルであった。 頭の中でそのビルの光景が点滅を繰り返すと脚が勝手に動き出した。 『どうなっているんだ?』 俺は特に気にする事も無くアパートのドアを開け外に出た。 するとまた微かではあるが「猫」の泣き声がアパートの1階から聞こえてきた。 俺はその「猫」の泣き声を気にしつつ脚が動き出し… 下町商店街方面へと向かっていた。 『そうだなぁ…』 『夕飯の惣菜でも…』 独り言を呟きながら歩き出した… 何時もと変わらない風景であったが… 俺の頭の中にある風景が鮮明に現れて不可思議な言葉が耳鳴りのように… 『ああ…耳鳴りか?』 そして目を瞑ると微かに誰かの声が… 『許さないで…』 『許さないで…』と… 俺は訳がわからず目を開くと… そこは… 商店街付近にある5階建てのビルであった。 「ああ…ここだ….」 俺は独り言を呟き、さっき頭の中に描かれた風景と同じであると認識した。 ビルの近くまで来ると足場が組まれていて… 塗装工事が行われていた。 工事はビル側面に塗料を吹き付ける事から… ビルの各窓にはビニールが貼られていた。 俺は特に気にかける事無くそこを通過しょうとしたが… しかし… またしても誰かが俺の耳元で囁いたのだ… 『許さないで…』 『殺すのよ!』 俺はその声が耳に入ると意識が薄れ闇の中に入り込んで行く… その闇が果たして何処なのか? 誰が俺を闇に導いたのか? するとその闇は巣鴨商店街とは違い活気が全く感じられない… 人けがない廃墟であった。 その廃墟の路地に佇んでいた女は髪の毛が長く… 全身濡れ寒さからか湯気のような煙が立ち込め俺を凝視していた… 俺はその女に凝視され恐怖から硬直していた… 恐怖はその女の顔が… この世に存在しない者だと感じ取れたからだ… 女の顔は生気が感じられず… ドス黒い顔色で俺を凝視しニャケタ表情であるが… その口元にはキバのような鋭い犬歯が備えられていた。 俺はその表情を見た瞬間… 何処かに引き摺り込まれ喰われてしまうのではないかと? その恐怖から俺の身体は硬直し… これが現実なのか? それとも夢なのか? その区別がつかないまま俺の意識は薄れ… コマ送りで進む映像… それはスローモーションで再生された遅い速さで俺は倒れ込んだ。 倒れ込んだ地面の足元にさっきの女とは違う男が存在していた… 俺は引き返せない世界に入り込んだのではないかと… そんな事を思っていると意識を失い気絶していた。 そして、気がつくと俺はアパートの部屋に戻っていた。 そして目を開くと… 頭が割れるように痛い… どのぐらい眠ってしまったのか? 昨日の経緯を確認してみたが… やはり、商店街に惣菜を買いに行く途中だった事… それ以外は記憶に無く… 頭痛が激しく… 身体を起こす事が出来ない。 無理に起こすと激しい頭痛から吐き気を模様し… 吐き気により嗚咽していた。 『駄目だ…』 『身体を起こす事が出来ない…』 再び「猫」の泣き声が聞こえて来た。 その泣き声は、昨日までと違い誰かを威嚇する声であった。 すると俺の部屋の呼鈴ブサーが鳴った… 「ピンポン…ピンポン…」 俺は声を上げ対応しようと考えたが… 頭痛と吐き気から対応することが出来ない。 するとドアを叩く音が… 「ドン…ドン…」 「タダさん居られますか?」 俺を呼ぶ声が… そして… 「警察ですがお聞きしたい事が…」 しかし、俺は対応出来ず警察は去っていった。 俺は頭痛と吐き気を堪え… 横になり… 『なんのようだったのかなぁ?』と独り言を呟いた。 9《過去》 警察と思われる人物が去ってから 「猫」の威嚇する泣き声は無くなり以前同様、刹那く、悲しい…泣き声に変化していた。 俺は起き上がる事で激しい頭痛が襲って来るのではないかと枕に顔を押しつけ考え込んでいた。 するとこれまで俺が生きて来た経緯が脳裏に蘇り… 特に関心は無いのだが気持に反して頭の中に映像が写し出された。 俺は幼少時代、両親からの愛情無く育った事は確かで… 両親は仮面夫婦であった。 父親はT大学を卒業し公務員総合職試験に合格… 官僚として外務省に勤務している。 母親はK大学を卒業し公務員総合職試験に合格… 大臣の秘書を行なっていた。 父親はエリート意識が強く野心旺盛で母親が秘書として勤める大臣の情報を得るため… 秘書である母親と結婚したのであった。 父親は母親に愛情のかけらも無く俺を産んだ事は確かであった。 俺には弟がいる… しかし弟は父親の子どもではなく… 母親が浮気をして出来た事である。 弟は両親の血液から出るはずの無い型であった事で証明出来たが… 父親は特に激怒する事無く受け入れ弟を育てていた。 父親は血の繋がない弟に溺愛していた。 それはどうしてか分からないが俺はその当時から無味乾燥であり親父から見放されていた。 弟はある意味生き残りを常に考え両親の機嫌を伺いながら生きていた… それが父親は気に入り、違った意味で溺愛したのでは無いかと? 俺は感じていた。 俺は両親の子どもではあるが家政婦に育てられ両親の愛情を受けずに育った。 それが原因なのかわからないが人と接する事が苦手でありコミュニケーション能力が劣っていた。 そんな事から学生時代は苦痛そのものであった。 勉強は特に興味がある訳ではなく… 覚えれば良いので、それなりに問題無く出来ていた。 学生時代での楽しみはひとり空想の世界に没頭する事であり… 空想は食べる事、寝る事だけで生きる事が人生設計であった。 食べる事はいろいろな食材を喰い尽くす事… 良い言い方をすればグルメであったが… 働いてグルメ化になるとか俺にはそんな野心が無く… この頃から「春に目覚め」オナニーによる射精を覚え俺の生き方… 楽しみに加わったのであった。 そんな俺は人と接する事、コミュニケーション能力が低いため… 勉強は出来たが「イジメ」に遭遇していた… 俺は友達から無視される事には特に苦痛では無かったが… 父親が官僚であり立派である事からの僻み的な「イジメ」が多発していた。 その一つは暴行で… 学校帰りの帰宅時に目隠しをされ身体への打撃てきなリンチ… そして、ある日は覆面を被った複数の同級生に抑え付けられ「カマキリ」「バッタ」などを食わされた陰惨な「イジメ」を受けていた。 しかし俺は両親に訴える事無く耐え忍んだ… 唯一、俺が自分を褒めてやる事であった。 大学は母親と同じK大学を卒業した。 試験は出来たでのであろうか? 願書に父親がT大学、母親がK大学である事から合格したのでは無いかと感じていた。 そして就職は大企業であるN社を受け… K大学卒業である事から企業の門戸が広く両親の学歴もあり面接で何も喋らなくても合格となった。 そして俺はメガネ部門の品質保証に配属され精神疾患となった? ここまでで頭の中映像が終わりを迎えた。 すると携帯が鳴り俺は… 『なんだこの電話番号は?』 『出て見るか…』 「はい、タダです」 「こちら巣鴨警察ですが…」 「昨日お伺いしましたがいらっしゃらなかったので….」 え、何故、俺の携帯の番号を知っているのか? 俺は不審に感じていた。 すると… 「携帯電話の番号はアパートの大家さんから聞きました…」 『俺はなんてこった…これじゃプライバシーも何にも無いじゃないか?』 大家のいい加減さに少し呆れていたが… 「それで昨日伺ったのは以前「タダ」さんの下に住んでいまし方が工事現場で亡くなったのです」 「それでその方をご存知かお聞きしたく…」 「署に出向いて頂けませんか?」 「分かりました…」 「あのその工事現場は…?」 「…「タダ」さんのアパートの近くの商店街入り口にあるビルですが…」 『え、本当なのか?』 俺は心の中で呟いた。 そして起き上がったが頭痛は無くなっていた。 すると、また「猫」の威嚇する泣き声が聞こえてきた。 10《事情聴取》 俺は簡単に警察への出頭を了解してしまったが… アパートの元下の住人が事故死? 殺害? 俺に警察は何を聞きたいのか? 『面倒くさいなあ…』 『警察に行くって言わなきゃあ良かった…なぁ』 俺は独り言を呟きながらパジャマを脱ぎ捨て着替える事にした。 するとまた「猫」の泣き声が聞こえ出来た。 これは俺の思い過ごしなのであろうか? 聞こえて来る「猫」の「泣き声」は「鳴き声」では無く「泣き声」に聞こえ… 泣き声は「猫」の鳴き声ではあるが… 俺はいつの間に… 心の何処かで別の生き物では無いかと感じていた。 俺が着替えていると「猫」が何を威嚇するような激しい泣き声となっていた。 その時、右脚に異変を感じた… 『え、どうしたんだ?』 一昨日「ノミ」刺された場所が疼きはじめた。 疼きは右脚内部… 皮膚から2センチほど下部から上下左右に移動している様な? 大きな痛みは無いが… 今まで感じたことが無いおかしな感覚であり… 確かにそこ… 「ノミ」に刺された箇所… 皮膚下の体内に何か存在していた。 その疼きが気になったが巣鴨警察に向かうことにした。 巣鴨警察は商店街を抜け市役所と隣接していて5階建のビルで… 俺のアパートから徒歩15分の場所にあった。 歩いていると右脚の疼きが激しくなり多少痛みを感じはじめた。 その時、俺の脳裏に情景が映し出された… それは、ビル工事をしている職人が… 外壁を塗装するため窓に塗装が付かないように… 窓にシールドとしてビニールを貼り付けていた… すると突然… 足場であった鉄柵が外れその職人が転落した… 『はっ…!』 俺は我に帰るとその情景は脳裏から消え右脚の疼きが激しさを増しいた。 そしてふと立ち止まると… そこは一昨日に来た工事中のビルであった。 『約束の時間まで僅かだ…』 『少し急ぐか…』 俺は少し不思議であったが疼き脚を引きずりながら歩きはじめ… 巣鴨警察に到着した。 警察署は入口に… 「自分の命を大切に…そして皆んなのために」と書かれている横断幕が掲げられていた。 俺はこの横断幕に書かれた意味がどう言うなのか不思議だった。 『この街は自殺者が多いのかなぁ?』 独り言を呟きながら警察署内に入っていった。 そして受付にて… 「すいません、刑事課のウツミ刑事に呼ばれ…」 「参りました」 「お繋ぎください…」 すると受付の女性が内線にて呼び出し 1階建物奥からウツミ刑事が現れた。 「お忙しいところがお呼び立てして申し訳ありません…」 ウツミ刑事は俺に丁寧に挨拶をした。 「ここでは何ですから奥へ」 「はい…」 俺は奥の休憩室まがりの小部屋に案内された。 「今日、ダダさんにお越し頂いたのは…」 「確認と所在なのです…」 「以前、ダダさんがお住みになるアパートの下に今回亡くなった方なのか?」 「そうで有れば…その方の身内をご存知かを…」 そしてウツミ刑事は… 「亡くなった方のお名前はシモダカズキ…」 「職業は日雇いトビ職…」 そして俺が… 「そうですね確かシモダさんと言ってました…」 「職業は衣服からしか…分かりませんが…」 「シモダさんと私は特に付き合いは無く….」 「このアパートの大家さんからの連絡である回覧とか…」 「まれにゴミ出して顔を合わせる程度ですが…」 「そうですか…」 「あ、申し訳ないのですが面通しして貰えますか?」 俺は面通しの意味がわからず… 「あの…面通しって?」 「シモダカズキさんの写真を見て確認して欲しいのですが…」 「その写真が転落後の…」 「写真なのですが…」 俺は一瞬躊躇したが… 「分かりました…」 「あと、下田さんが転落した件…」 「事故なのか?」 「事件なのか?」 「判断が付きません…」 「そこで知っていれば教えて貰いたく…」 「他に下田さんが亡くなった現場の写真も確認してもらえますか?」 ウツミ刑事は丁寧に俺に確認して欲しいのだと感じ取れたが… なぜそんな写真を俺が確認するのかと? 「ダダさんまず写真はシモダさんである事に間違えありませんか?」 その写真のシモダであった。 顔は青白く口は半開きで目は薄ら白目であり写真を見ただけで死人であると確認出来た。 「シモダさんです…」 「転落現場写真を見てもらう前に…」 「ダダさん、シモダさんは親族をご存じですか?」 「さっきお話しした通りで…」 「まったく関わりが無いもので…」 「そうでしたね…」 俺の右脚は疼きが激しくなり痛みが増し… 額から油汗が流れていた。 「ダダさんどうしましたか?」 「ひどい汗です…」 俺は返事をするのも苦痛であり… 「ウツミ刑事、もうよろしいでしょうか…?」 「ダダさんすいません、最後に…」 「これは、シモダさんが転落した鉄柵なのですが…」 「安全ベルトのフックが外れていて…」 「なぜか誰か意図的に外したような…」 「そしてその安全ベルトのフックに夥しい獣の抜け毛が付いていたのです…」 俺はその話しを聞き… 他人事でないとは思えた。
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