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「あのう……あのう!! さっきから目覚まし鳴ってますけど」
「んん……。え……? 誰!?」
聞き慣れない声で目を覚ますと、目の前に知らない男がいた。
おまけに――。
「あ、あんた何それ。あたしのベルトなんか首に巻いて一体どういうつもり!?」
知らない男はパンイチで正座し、首に自分のベルトを巻いていた。状況から察するにワンナイト的な関係だったのだろうが、まったく記憶にない。
「どういうつもりって……。これ、キョーコさんが巻いたんじゃないですか。今日からあたしのペットになりなさいって。もしかして憶えてないんですか?」
「ええええ!! ごめん、全然憶えてへん」
杏子は頭を抱えた。昨日は小梅とレストランに行った後、ワインバーと居酒屋をハシゴして……。ダメだ、思い出せない。必死で記憶を辿ろうとするけれど、肝心なところがごっそりと抜け落ちていた。
それにしても、あたしのペットになりなさいだなんて、どんなプレイだ。壇○かあたしは。酔った勢いでなんちゅうことを……。
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