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二章〜グレイルーズ国①
✴︎12#‥ルンバダの街〜酒と動揺〜
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ここはルンバダの街。リッツとタツキは、あれからこの街に辿り着き宿屋を見つけ荷物をおくと、暗くなるまでにはまだ時間がある為、街の中を見て歩いていた。
「リッツ、いったいこれはどうなってる!?昔はこんなに派手な街じゃなかった」
「そうなの?昔はどんな街だったのかなぁ」
そうリッツに言われタツキは昔の事を思い出しながら話し出した。
「昔もこの街は賑やかで、旅芸人が立ち寄り芸をみせる酒場はあったが、今のような派手な娯楽施設などはなかった」
そう言いながらタツキは辺りを見渡し、
「それに建物なども、ここまで派手じゃなかったしな」
「ふ~ん、そっかぁ。ねぇ、そういえばタツキがいた世界って、どんなところなのかなぁ?」
「ん?俺がいた世界か。……この世界に比べ、色々な技術が遥かに進んではいるがその反面、自然は豊かとはいえない」
タツキは思い出しながら遥か遠へと視線を向けた。
「そうなのかぁ。でも、色々と物が揃っていそうでいいなあ~」
「ああ。確かに便利な物が揃っていた。だが俺のいた世界の奴らは、この世界の住人ほど、心が豊かだとはいえないだろうな」
「そうなんだね。そうだ!話は変わるけど。これからどうするの?」
リッツにそう言われタツキは街並みをぐるりと見まわし、
「そうだなぁ。ある程度の物は揃ってるし……」
「じゃ、あてがないなら酒場に行きませんか?」
そうリッツが言うとタツキの顔色が変わり、
「さ、酒場……酒!」
「どうしたの?顔色が悪いみたいだけど。もしかしてタツキってお酒が飲めないのかな?」
「いや全く飲めないわけじゃない。ただ……いや、なんでもない。そうだ、別の場所にしないか?」
そう言いながらタツキは冷や汗をかいていた。
(ん?タツキって……お酒弱いのかな?それとも、酒癖が悪いとか?何か気になるなぁ)
そう思いながらリッツはタツキを見つめている。
タツキはリッツに見つめられ動揺していた。
(この状況で、何か起こるとは思えないが。酔った勢いで、ボロが出るのだけは避けたいしな。前回、この世界に来た時のようにな)
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