序章~旅立ちから再会④

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序章~旅立ちから再会④

       ✴︎4#‥運命と同行       ※※※※※※※※※※※  リッツは目の前に会いたかった男が現れ、それもまた助けられた事で運命を感じていた。 (嘘、こんな所でまた会えるなんて!これは運命……。だけど会えたとしても)  そうリッツが思考を巡らせていると、その男が話しかけてきた。 「それにしても。この前といい今日もだが、よくよく魔獣に好かれてるみたいだな」 「ハァ、僕が魔獣に……。流石にそれは……。あっ、そうだ。助けてくれて、ありがとうございます」  そう言いリッツは深々と頭を下げた。 「ああ。怪我がなくて良かった。だが、何でこんな所をウロウロしてた?」 「それは……」 「ん?言えないような事なのか」  そう言われリッツは、どう答えたらいいか悩んだ。 (『想いを伝えに来ました』なんて流石にこの状況じゃなくても言えない。だけどこの場合どう説明したらいいんだ?) 「何か事情があるみたいだな。それなら敢えて聞かねぇ。だが、まだこの森にいるつもりか?」 「あーいえ。流石にここに長くいるつもりはないです。……」  そう言うとリッツはその男を見ながら、ふとある事を思いつき、 「そういえば、この前から気になっていたんですが。なんの目的で旅をしているんですか?」 「俺の旅の目的か。それは今は詳しく話せねぇ。……」 (流石に言えねぇよなぁ。まだあったばかりのヤツに事情は話せねぇ。それに、昔と地形が微妙に変わってて迷子になってたなんてな) 「そうなんですね。もし差し支えなければ、同行させてもらえませんか?」 「ん?別に俺は構わねぇが。お前は大丈夫なのか?」 「はい、大丈夫です。それに側に……いや、えっと……あなたと旅をして、少しでも強くなれたらと思ったので」 「なるほど、そういう事か。……そういえばお前、この大陸の地理に詳しいか?」 「はあ?詳しいというか、地図なら持ってます」  そう言いリッツは、バッグの中から簡単な大陸の地図を取り出しその男に渡した。 「すまない。簡単な地図だが助ける。昔とかなり……あっ!」 「昔と?」 「いや悪いなんでもねぇ。それより、今から、ここから北北東を目指し、かつてオパール城があった場所まで行く」  そう言いながらその男は、右手の人差し指で地図を辿りながら、オパール城があったであろう場所を差した。 「そこに何かあるんですか?」 「ああ。まだ残っていればだがな。あっ!そうだった。自己紹介まだだったな。俺はタツキ・ドラゴナイト。よろしくな!」  そう言うとタツキは右手を差し出した。 「……僕は、リッツ・ビーホルンです。よろしくお願いします」  リッツはそう言いタツキの手をとり握手をした。 (えっと……あ、握手なにげにしちゃったけど。まだ鼓動が鳴り止まない。まさか顔に出てないよな) 「ん?急にどうした。具合でも悪いのか?」 「い、いえ大丈夫です。ただ長旅が出来るって思ったら、ドキドキとワクワクがいっぺんに来て……」 「そういう事か。……そういえばリッツは獣人ハーフだよな?」 「はい!そうですが?」 「ん〜ブチ猫ってところか?」 「あーえっと……僕は、これでもヒョウなんですが」  そう言われリッツは肩を落とした。 「そうか。……まあいい。じゃそろそろ行くか。あまり長くこの辺をウロウロしてねぇ方がいいだろうからな」  タツキがそう言うとリッツは頷き、2人はその場を離れ遥か北北東を目指した。
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