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「ほら〜、翼くん?言ってくれないとわかんないなあ」
と、耳元で囁かれる。
「うんぁっ」
思わず変な声がでてしまう。
「翼くんの弱いとこはっけーん!」
さらに透さんがにやつく。そんな透さんを恨めしく思う。
「で、なになに??」
「え、えっちなこと…」
と、必死に声を絞りだす。
「なにー?聞こえなーいもう1回言って?」
「うっ、透さんの意地悪!!もういいっす!帰ります!!」
立ち上がって帰ろうとすると
「ごめんって!!えっちなことね!!話すからまだ帰らないでえぇぇ」
と懇願されたので、仕方なくその場に留まる。
(まあ、俺も聞きたいしな…)
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「俺の初めては今の翼くんと同じ年の時。ゲイってさ、身近にほんとにいないからマッチングアプリとかで探すしかなくて。そこで探して、会ってすぐヤるみたいな感じだった。」
「俺と同い年っすか…」
「そう。普通に興味本位ってのもあったし性欲がありあまってたからねー。あの頃はわりと遊んじゃってたなー、ワンナイトとか多かったし…」
「わ、ワンナイト…」
オトナな世界だ…と思っていると
「翼くんはさ、抱きたい方?抱かれたい方?」
「なっ、なんすか!急に!」
身の危険を感じ、身構える。
「いや、普通に!反応的に経験はないんだろうけど願望みたいなのないの?幼馴染くんに抱かれたいの?それとも抱きたいの?」
「うっ。それは…多分抱かれたいの方だと思います…」
(は、恥ずかしい…)
「やっぱりそうなんだ〜」
意外と軽い反応に拍子抜けする。
「透さんは…どっちなんすか?」
単純に気になって聞いてみる。
「俺は、ネコタチどっちもいける派。両刀なんだ〜」
「ちなみに翼くんだったら、タチかな!」
と、キラキラした顔で言われ反応に困る。
「いや!聞いてませんから!!」
「ふふっそっか、ネコかぁ〜。ネコは準備とか大変だよ〜?」
「準備?」
「そう!ほんとに翼くんなんも知らないんだねぇ、よし!お兄さんが片っ端から教えてあげよう!!」
そして4時間に渡る「太宰透の性教育講座」が始まるのだった。
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