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「ノンケって残酷だよねえ… 俺、絶対にノンケだけは好きになりたくないもん」 「それ俺に言います…??」 「翼くんほんとにすごいと思うよ。うん、尊敬する。」 あんまり褒められた気がしないのだが…。 「そういえば、透さんってなんのお仕事してるんすか?ふつーにサラリーマン?」 ずっと疑問に思っていたことだった。透さんは、俺の相談にものってくれるし、同じ嗜好の持ち主としてもとても話しやすい相手だったが、ここからは入らせないよと言われてるような壁を感じることがよくあって、どんな仕事をしているのか、交友関係なども、本当に何も知らなかった。 「え、唐突だね?」 「いやーそういえば聞いたことないなって思って。」 「ふふふ、知りたいの?」 と、不敵な笑みをうかべて、こちらをみる透さんはやっぱり色気があって、かっこいいなって思う。 「別に、言いたくないならいいっすよ。」 「ふふっ、翼くんのそういうとこ好きだよ。まあ決して怪しい仕事じゃないから安心してよ。」 「でも透さん、話聞くのうまいからカウンセラーとかやってそう。」 「あーでもちょっとかすってるかもちょっとだけ」 「ちょっとだけかよ!」 こうやってお互いに深く入り込まず、気楽に話せる透さんの隣はとても居心地がよかった。 「でも俺、感謝してるんすよ。透さんいなかったら俺今頃壊れてるかも。」 と、笑いながら言ったがこれは割と本当の話だった。 自分では気づいてなかったけど、聖夜に彼女ができてからはほんとに辛くて崩壊寸前だったと思う。 「だから、透さんも困ったこととかあったらいつでも相談してくださいね?」 それを聞いた透さんは目をぱちぱちさせている。 (あれ?俺なんか変な事言ったか?) 「と、透さん?」 「あっ!いやごめん、そんなこと言われたの初めてでびっくりしちゃった。俺よく悩みなさそうって言われるから。」 「まあ確かにパッと見そう見えますけど、なんかたまに壁感じるんすよね。それが俺的には、さみしいと言いますか… 俺はこんなにかっこ悪いとこ見せてんのにくっそ恥ずいじゃないですか… だからたまには、弱いとこ見せてくれてもいいんじゃないかって思って。」 「そういう風におもってたんだ…」 「余計なお世話だったらすんません…」 「ううん… ありがとね…」 そう言ってふにゃっと笑った透さんの顔は今までで1番素敵な笑顔だった。
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