2章 眼鏡と笑顔と三ヶ月 SIDE 永斗

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「――ほんと?」 「ああ、日頃、俺の右腕として頑張ってくれてるからな!」 「⋯⋯右腕になった覚えはないけど――ありがとう園部」 仏頂面だった彼女は男を見上げると、ふわりと口元が綻んでいた。 「あ⋯⋯」 これがレアな笑顔か⋯⋯ その笑顔は、思っていた以上に柔らかくて、僕は気づいたら食い入るように見つめていた。 それにしても、あの男は真島さんの好きなものを知っていて、笑わせることが出来るのか。 そう実感した途端、何だかジリッと焼き付けるものが胸を過ぎった。 なんだ、この不快感。 あの二人は同期なんだから、助け合うのは当たり前だ。 今までもそうやってきたに違いない⋯⋯。 初日に彼女を見てから、僕はおかしい。 意識せずとも、マスコットキャラクターのような彼女を、追っている。 珍しいから? 開発にいた頃の自分に似ているから? それとも、まじめがね といわれてからかわれる彼女が不憫だと思っているのか? 自分がわからない⋯⋯。
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