アングラ～夜紅羅 實光～

普通に経営している企業が“普通”で居る為には彼等の力を少なからず借りざる負えない。その理由はなわばりだ。基本的に一般人に手出しする事は無い彼等だが、時として相手を怒らせる為だけに土地荒らしをする事がごくまれにある。それを防ぐ為には、分かり易く“ここは何処何処のなわばりです”と主張する他ない。しかもその主張は強くてその界隈では知らぬものが居ないと言った風の存在でなければ意味をなさない。

5人のサラリーマン達は電化製品を取り扱う企業に勤務している。
彼等が此処にくるはめになった理由をこれから述べる。

基本的に彼等は本社勤務で睨めっこするのは大概パソコンと書類と上司の三つである。パワハラとまでは行かないにせよ、ウザい事に変わりはないので鬱憤が貯まって行く。その鬱憤を彼等は酒やたばこで紛らわし、愚痴大会を飲みと称して開き、美味しいものを食べて忘れていた。