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「で、実際に泊まったことも何度もあるから、親には『友達の家に泊まる』って言っとけばOKだよ。あ、もちろん、口実に使う友達には協力してもらうことになってるから。別にそのための根回しじゃないけど、──ホントにないけど! 特に仲良い二人は、家に呼んだりもしてるんだよね。だから親も知ってる子のとこだし、安心してるからさ」
大学の友人は基本『大人』で、プライベートに踏み込み過ぎることも他人行儀過ぎることもなく、高校以前よりとても楽だと怜那が話していたのを思い出す。
(……親に嘘吐かせるのには変わりないんだけど、それ言い出したら何もできないか)
「そうか、まぁそれなら」
(もう怜那だって大学生なんだし、これくらいなら許容範囲だよな?)
沖は多少の後ろめたさを感じつつも、自問自答の末に都合のいい方に解釈してなんとか自分を納得させる。
(いつもここへ呼んだ日は、夕食前には帰らせるようにしてるしなぁ。……普段そうやって節制してるんだから特別な日があってもいい、のかな。……いいんだよ、な?)
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