診断を受けるまで

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診断を受けるまで

 診断を受けるまでにどんな風に過ごしていたか書いていないと思い至り、なんとなく書いておきます。  地元の精神科の医師からは「安静にするように」と指示を受けていました。なので家のカウチソファでボンヤリとテレビでも見ながら過ごしていました。  完全に横になっていれば良かったのでしょうが、カウチソファで中途半端に頭を上げて過ごしていたので休んでも休んでもそれほど良くはなりません。  家事は夫と小学6年生の息子に任せ、ただボーッと過ごすだけの日々。この頃は症状も軽く、休んでいれば具合が悪いということもほとんどなかったと思います。  トイレの帰りなどに私が倒れたら優しく助け起こしてくれた二人も、だんだんと冷たくなっていきました。  倒れるならさっさと倒れればいいんですけど、たいていは座り込んでしまうんです。そうするとやはり回復せず、いずれ座ることもできなくなり倒れ伏します。夏ではなかったので床が冷たくて、起き上がれるようになるまで寒くてつらかったです。  ある日、またいつものように私は床に倒れていました。しばらくすると面倒そうに助けに来てくれる夫もその日は私を無視して家を出て行ってしまいました。  今思い出しても悲しくなりますが、もうその時は本当に死のうと思いました。  冷たい床で倒れて泣きながらどう死のうか考えていましたが、その日は息子の誕生日の前日だったんです。  息子の誕生日を不幸な日にする訳にはいかないと思い至ってその日はなんとか耐えました。どちらにしろ死ぬに死ねなかったとは思いますけどね。一度失敗したら二度目は難しいのです。
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