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「は!?」
その瞬間、目が覚めた。
布団に転がったまま天井を見つめ、暫し茫然とする私。
「ゆ、ゆ、夢か……そ、そうだよな、うん」
心の底から安堵していた。掃除機が喋り出していきなり喧嘩をする、なんて夢。いくらなんでも突拍子がなさすぎる。現実であってたまるか。
――大体お掃除王ってなんだ、お掃除王に俺はなるってか。何でそうなるんだよ、うん。
ああ、夢で良かった。頭を掻きながら身体を起こし、真横を見た私は。
「ぎょあああ!?」
何故だ。
何故ダイソン君とルンバ君が、私の布団の真横にしれっと並んでるんだ。
――さ、さ、昨夜掃除しようと思ってうっかり出してそのまんまにしたのかな?うん、き、きっと、そうだよ、そうに決まってるよね!
掃除機二体は、夢の中のように喋ったりはしない。
しかし彼らの“無言の圧力”と。同じく視界に入ったカレンダーの日付は、私に決意させるのに十分であった。
「ああ、そうだ……大掃除しよう……」
2020年も、もうすぐ終わり。
皆様どうか、良いお年を!
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