我が家の掃除機ズが、突然喧嘩を始めたのですが。

4/4
前へ
/4ページ
次へ
 *** 「は!?」  その瞬間、目が覚めた。  布団に転がったまま天井を見つめ、暫し茫然とする私。 「ゆ、ゆ、夢か……そ、そうだよな、うん」  心の底から安堵していた。掃除機が喋り出していきなり喧嘩をする、なんて夢。いくらなんでも突拍子がなさすぎる。現実であってたまるか。 ――大体お掃除王ってなんだ、お掃除王に俺はなるってか。何でそうなるんだよ、うん。  ああ、夢で良かった。頭を掻きながら身体を起こし、真横を見た私は。 「ぎょあああ!?」  何故だ。  何故ダイソン君とルンバ君が、私の布団の真横にしれっと並んでるんだ。 ――さ、さ、昨夜掃除しようと思ってうっかり出してそのまんまにしたのかな?うん、き、きっと、そうだよ、そうに決まってるよね!  掃除機二体は、夢の中のように喋ったりはしない。  しかし彼らの“無言の圧力”と。同じく視界に入ったカレンダーの日付は、私に決意させるのに十分であった。 「ああ、そうだ……大掃除しよう……」  2020年も、もうすぐ終わり。  皆様どうか、良いお年を!
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加