出会い

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「転んだ? 大丈夫だった? 怪我は?」 「ううん、大丈夫だよ。スーツの男性が腕を掴んで起こしてくれて倒れずにすんだ」 「あ、あの人? そうだったんだ。だから「ありがと」って叫んでたんだ」 「うん……聞こえたかな?」 「聞こえてたとは思うよ。私に聞こえてたから」 「なら、いいけど。どんな人だった?」 「ん? 那奈、顔見てないの?」 「うん。顔を上げたらもう後ろ姿だった……」 「マジかぁ。イケメンだったよ。スーツ姿がカッコ良くて……歳は、私達より3つか4つ上かな? 爽やかなお兄さんって感じだったな」 「いいな……私も顔見たかったな。そっか……23か24歳ぐらいなんだ」 「うん、たぶんだよ」 「いい匂いだったな……」 「いい匂い? 香水?」 「甘い香りがした。バニラかな? サンダルウッド?」 「那奈なら香水見つけられるんじゃない? そういうの詳しいでしょ。ちょっと、香水も見に行ってみようよ」
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