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あれからどうしてもあの甘い香りが忘れられなくなっていた。
香水専門店に香りを探しに何度も足を運び、あの交差点にも何度も行った。
もう一度あの香りに会いたい……
そう思って。
そしてやっと同じ香りの香水を見つけた。
青緑色のパッケージ、日本の男性をイメージし作られたと言う香水。
初めは爽やかな香りだけど、徐々に甘い香りが出てきてその甘い香りが深くなって、大人の色気を感じさせる印象。
（確かにこれだ……でも、ちょっと甘さが足りない）
その香水を購入し、何が違うのか色々と試し始めた。
あの日、あの時間、ランチを食べて買い物をした後……
時間は２時過ぎ。
あの人が朝に香水をつけたとして、ラストノートの香り、甘い香りを感じた。
香水の香りは三段階で香りが変わる。
トップノートはつけてから１０分過ぎた頃、アルコールが飛び３０分程香る匂い。
ミドルノートは３０分から１時間、長い物だと３時間香る匂い。
ラストノートは種類によって１２時間や２４時間、香るものもあると言われている。
ミドルのシダーウッドからラストにかけてサンダルウッド、バニラが香り、そこにムスクのセクシーさが最後に残る。
ラストノートに何が加わってあの甘い香りになっているのか分からない。
そんなふうに憑りつかれたようにあの香りを探す日々が、２年続いた。
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