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決戦の朝
遡ること当日の早朝。ガーシュが鳥小屋を掃除していると背後から息子にねだられた。「ねぇサンタさんにちゃんと伝えてくれた?」
虫酸が走ったがすぐに彼は笑顔を取り繕う。「ああ。ここを綺麗にしてくれたらな。それが条件だそうだ」
子供はドロドロに汚れた床を見回した。そして臆せずウンとうなずいた。
「いい子にしてるんだぞ」
頭髪をぐしゃぐしゃに撫で狩場に向かう。途中、ハロンと合流し小声で作戦の細部を詰めた。村が寝静まった頃あいを見てサンタクロースが降臨する。
序盤の配達を見逃し油断させたところで寝室の子供たちが侵入者を討つ。そっと静かにだ。毒矢は暗殺にもってこいだ。作業が滞り敵が異変に気付く。ぎりぎりのタイミングで各戸の煙突が噴火する。サンタにとって贈り物は命だ。防火や退避に向かう輩を別動隊が射る。同時に火矢が橇を襲う。あとは混乱したサンタクロースどもを掃討していけばよいのだ。
決戦の日が暮れる。
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