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「申請用紙のお話をする前に私から質問があります」
答えるかどうか有無を言わせない強い口調で言い切られる。
「えっと……何の質問ですか?……」
華菜はおそるおそる生徒会長の目を見つめた。
「以前2年生の湊さんのところに行って啖呵を切ったと聞いたのですが、何か野球部設立と湊さんが関係しているのですか? 」
生徒会長の視線が鋭くなる。入り口近くで立っている華菜とは距離があるのに気圧され、思わず1歩後ずさりする。一言二言会話をしただけなので、啖呵を切ったというのはかなり話が大げさになっている気がするが、由里香と野球部が関係あるもなにも部を作ることになった直接の理由である。
なぜ由里香の話がここで出て来るのかはわからないが、生徒会長にとっても由里香と野球部の関係を把握しておく必要があるということなのだろう。それがなぜなのかはわからないが。
「いえ、あの。関係はしてたりしてなかったりといいますか。あの……なんていうかそういう感じです……あと啖呵は切ってません」
生徒会長の勢いに負けてしどろもどろになってしまう。かなり曖昧な回答になってしまったことは華菜自身も自覚していた。
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