第18話 怜が見つけた双子ちゃん

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「単刀直入に申し上げますと、野球部に入って頂きたいのですわ」 「野球部?」 真希が案じ顔で怜の方を見る。 「はい。そうすれば先ほどの休み時間には何も見なかったことに致しますわ」 さすがにこれ以上真希を怖がらせるのはかわいそうなのでこの辺りで手を打つことにした。 「うわーそれはまずいねー。おねーちゃん、退学になるの怖いから入るしかないよー」 元々間延びした棒読み気味だった話し方の棒読み度合いが高まった。当然、表情から恐怖心なんてものは一切感じられない。 「私も嫌だけど、野球ってチームスポーツでしょ? 絶対無理!!」 「でもー、私たち高い学費払ってこの学校に入れてもらってるのにー、退学になったら大変だよー」 「それはそうだけど……」 姉妹の話し合いが進んでいくのを怜は眺めていた。
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