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「何が言いたいのかよくわかりませんが、要するに言いたいことは野球部を作りたいことと湊さんとはなんの関係もないということでいいんですね?」
「いや、えっと、まあ、そんな感じだと思います」
生徒会長が静かに念を押すが、どう答えれば正解なのかわからず華菜は再度曖昧な答えで話を流そうとする。
「その答えはYesの意思表示ということですね? 肯定したということは仮に何かの間違いで野球部の設立の要件を満たせたとしても湊さんには一切声を掛けないという条件をつけてもいいですね?」
1文字1文字それぞれに念のこもったような言い方をされる。
「いや、それは……」
華菜の目が泳ぐ。どうごまかせばいいのか悩んだ。
「い・い・で・す・ね?」
もう一度生徒会長が念を押してくる。なんとかこの場を上手く言い訳して先延ばしにして――
――いや、違う。今すべきことはごまかしではなく決意だ。
華菜は覚悟を決めた。
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