タイムマシンを手に入れる方法

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タイムマシンを手に入れる方法

 私はタイムマシンを手に入れる女!  別に科学者とか未来人とかではないけれど!  ただ、私はある理論によってタイムマシンを手に入れることができると確信している!  その理論とは…… 「はい、タイムマシン持ってきたよー」  そこに突然現れたのは……私だった。 「あ、ありがとー」  私は私からタイムマシンを受け取る。  それは私が日頃から愛用していた腕時計だった。 「どうやって使うの?」 「うん、なんかね、文字盤カバーの上に指を置いて、10分前に行きたい!って言ったらできたよ」 「わかった、ありがとー」 「いえいえ」  それだけ言うとタイムマシンを持ってきた私はソファに座ってテレビを見始めた。  私は早速タイムマシンであるところの愛用の腕時計を手首に巻くとその文字盤の上に指を置いて言う。 「10分前に行きたい!」  すると私は10分前にいた。  そしてそこにはこれからタイムマシンを手に入れる私がいた。 「はい、タイムマシン持ってきたよー」  私の声にそこにいない誰かに説明していた私が振り返る。 「あ、ありがとー」  私は手首に巻いた愛用の腕時計を外すと私に手渡す。 「どうやって使うの?」  私の質問に私は答える。 「うん、なんかね、文字盤カバーの上に指を置いて、10分前に行きたい!って言ったらできたよ」 「わかった、ありがとー」  タイムマシンを受け取った私はタイムマシンを渡した私に微笑んでお礼を言った。 「いえいえ」  一仕事終えた私はソファに座ってテレビをつける。  なにかおもしろい番組がないかチャンネルを変えているとタイムマシンを受け取った私が言った。 「10分前に行きたい!」  タイムマシンを受け取った私がいた方をちらっと見たがそこにはもう私はいなかった。  こうして私はタイムマシンを手に入れたのだった。  もう持ってないけど。
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