博士が愛した依存

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真白と出会ったのは、俺が高校生の時だった。 高2の時に、初めて同じクラスになって、その時はまだ何とも思っていなかった。ただ気が合う奴とか、席が近い奴とか、そういう認識だったと思う。 でも、それからしばらくして真白に告白されて、それで何とも思ってなかったけど、OKした。真白にとって、俺は初めての彼氏だったそうだ。俺にとっても、真白は初めての彼女だった。 付き合いながら、俺は徐々に真白のことが好きになっていて、気づいたら真白にぞっこんだった。でも、それからしばらくして1年も経たないうちに、真白から別れを切り出された。 俺は、嫌だということもなく、その願いを承諾した。 それから数年が経って、俺が大学3年生になった時のクリスマスイブの夜だ。仕方なく、バイトに駆り出された俺は帰りにコンビニに寄って、そこでバイトしている真白に遭遇した。 奇跡だと思った。 それから、月に何度か会うようになった。今度は恋人ではなく、友達として。 俺は発明家になりたかったから、大学院に進んだ。一方、真白は新卒で就職した。そのせいか、前より会う回数は各段に減っていった。 だから、俺の方から今度は真白に言ったんだ。 「真白が好きだ。俺と、付き合ってほしい」 真白は一度驚いた顔をして、でもすぐに笑顔になった。 それから、俺たちは2年付き合って、3年同棲した。合計5年間を恋人として過ごして、そして、俺たちが奇跡みたいに出会ったクリスマスイブの日に、大きなツリーの前で、こう言った。
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