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「お母さん、
お惣菜はもうカゴに
入ってるじゃん!」
わたしがこう言っても
お母さんはシカト。
ズンズンと進んでいって
お惣菜コーナーの方に
いくと、
そこには半額シールを
ペタペタとパックに
貼ってる店員さんが。
もしかして、
半額シール貼ったヤツと
交換するのかな?
と思ったら、
お母さんは私からカゴを
取り上げて、店員さんの
方にツカツカ近寄った。
で、周りの人を押しのけて
店員さんに声をかける!
「ちょっと!!
お兄さんお兄さん!!
お兄さん!!
これとこれにも
半額シール貼って
ちょうだい!
ほら、これね!!
お兄さん!シール!」
ひいいいいいいいいい!!?
まさかお母さん、
商品キープして半額シール
貼ってもらえるまで
待ってたの!?
え、アリなのですか!!!?
アリとか以前に
恥ずかしくない!!?
店員さんはちょっと
迷惑そうな顔をしつつ
お母さんが差し出した
パックにシールをペタリ。
お母さんはご丁寧に
カゴから順番にパックを
出して、結局全部に
シールを貼ってもらった。
「ほらみて、りさ、
待ってて正解!」
で、嬉嬉としてわたしに
報告してくるんだけど、
やめて、恥ずかしいから
声かけないでえええええ!!
「あーうん良かったね
お母さん早くいこ、」
一刻も早くここから
立ち去りたくてわたしが
こういうと、
「あら、松嶋さん。」
って声がきこえてきた。
げっ!
振り返ると、
そこには同じクラスの
マンダさんと、
マンダさんのお母さん。
み、
見られた?
「あら、マンダさん!
前の保護者会以来
ですね~~~!」
お母さん、わたしが
焦ってることなんて
ちっとも気付かずに
マンダさんと話し始めた。
まずいまずいまずい
まずいまずいっ、
お母さんの持つカゴの
中には特売品の油と
半額シールが貼られた
お惣菜パック!
一方のマンダさんの
お母さんの持つカゴの
中には新鮮なオレンジや
レタス、それに何だか
高そうなお肉!!
カゴの中身で分かる
家の品格!!!
これはお母さんが
余計なこと言う前に
マンダさんとバイバイ
しなきゃ!!!
「お母さん、早くしないと
お父さん帰ってきちゃうよ、」
わたしがグイグイ
服を引っ張ると、
お母さんは「大丈夫よ、」
って言ってきて。
わたしが!
大丈夫じゃない!
マンダさんのお母さんは
うちのお母さんのカゴの
中を見た。
「あら、半額・・・」
「そうなのよ!!
あら、マンダさん、
もしかしてご存知ないの!?
ここのスーパー、
18時になったらお惣菜が
半額になるのよっ、
定価で買ってたら
バカみたいよね~~~!!」
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