玉の輿に乗りたいんです

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おかあさんんんんんん!! 余計なこと 言わないでええええええ マンダさんのお母さんは 肯定も否定もせずに 「まぁ、」って笑ってて、 お母さん気づいてええええ マンダさんのお母さんは 半額とか別に重視して なさそうだよ、 それ以上なんか 言ったら恥かくだけ だってば~~~!!! 「ほらみて、 これなんかこんなに たくさんからあげ 入ってるのにこの値段! ねっ、買いでしょ!? マンダさん買ったら!? 買った方がいいわよ!!」 うちのお母さんは 半額シールが貼られた からあげのパックを 熱く勧めるけど、 マンダさんのお母さんは やんわり笑って、 「そうですねぇ、」 っていうだけで、 全然手に取りません! 手に取る気がさらさら なさそうです!! 明らかにそのからあげ 買う気なさげなのになんで お母さん分かんないの!! ちらっとマンダさんを 見ると、マンダさんは こっちを見てスクッ。 こ、こ、こ、 こっちみて笑った!? 「お母さんっ、 早く帰ろうよっ、」 わたしがこういうと、 お母さんは困ったように こっちを見下ろしてきた。 「もー、りさ、 なんでそんなに 急かすのよっ、 あっ、そうだマンダさん、 こっち! こっちにもお買い得な ものがあるから!」 ま、 まっ、 まっ、まさか!? お母さんがマンダさんの お母さんを引っ張って いって、 行き着いた先は――・・・ 「ほら、ここの 見切り品コーナー! ここに掘り出し物が 時々あるんですよっっっ、 だからここのチェックは 欠かせないのよ~~~~!」 見切り品コーナァアアア!! やめてえええええええ!!!! お母さん、なんで自ら 恥をかきにいくのっ!? マンダさんのお母さんは やんわりと、 「へぇ~~、 そうなんですね、 こんなコーナーが あったんですね~~、」 って言ってて、 今までこのコーナーに 見向きもしなかったんですね、 用事なかったんですね、 それなのにお母さんんんんん お母さんは鼻の穴を 膨らませて、 ニヤッと笑った。 「でも今日はだめねぇ、 3割引のものしか 置いてないからっっ。 5割引になるまで 待たないと!」 ドホホホホホホホッと 興奮気味に笑うお母さん。 ホホホホ、と品良く 空気を読んで笑う マンダさんのお母さん。 うん、 穴があったら入りたい。 なんでうちのお母さん 安物買いをそんなに 誇らしげに話すの!? そして熱く人に 勧めちゃうの!!!?
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