言わなきゃわかんない。

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「だって朝葉ちゃん 何も教えてくれないから、 そんなこと言われたって わかんないよ・・・ どーなってんの? 朝葉ちゃん今なにが したいの? 何考えてんの?? もおおおお・・・・・・」 ブスッと不貞腐れて、 体育座りをするわたし。 すると、烏丸さんは ベッドから降りてきて、 わたしの隣にストンと 座った。 「わかんねーなら、 気になるなら、 聞けばいーじゃん。」 うおええええええええ??? ブンッッッッ!!と 烏丸さんの方を振り返ると、 烏丸さんはヘラッとした 顔をしている。 お~~~~~~~~~ま~~~~~~~~~~~~~え~~~~~~~~~っ、 簡単に言ってからにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい 「烏丸さん、 簡単にいいますけどっ、」 「簡単だろ、 話しかければいーもん。」 う、いやまぁ、 そーなんですが、 「・・・・・・・・、」 閉口するわたしを見て、 烏丸さんはちょっと 苦笑いした。 「・・・わかるよ。 こっちから折れてる感 あるもんな。 でも、聞かなきゃ 本当のところは全然 分かんねーじゃん。 俺が杉原さんも 努力してんじゃね? って言うのも、 あの壱哉が言うなら、 なんかしてんのかなー、 なんかそうやって言う 理由があんのかなー、 っていうレベルだし、 想像であれこれ 言っててもたぶん、 松嶋ちゃんはずっと モヤモヤしてる。」 そっと、 烏丸さんが指先でわたしの 髪を揺らす。 わたしはぐ、と唇を噛んだ。 「わたしが折れるんですか、」 「やだ?」 烏丸さんが、甘く、 優しく問う。 いや、か、って そんな風に訊かれると、 うー・・・・ ていうか、やばい、 烏丸さんにそういう風に やさーしく、あまーく、 囁くように言われると、 なんか、 さっきまでの怒りというか モヤモヤがちょっとだけ 小さくなっていく。 イッツ 烏丸マジック! いや、ふざけたこと 言ってる場合じゃねえ。 「・・・・・・、 企画のこともわたしから 声かけるんですか。」 わたしがこう言うと、 烏丸さんはわたしの顔を 覗き込んだ。 「まー、ここは おじょーちゃんが 貸しを作ったと思って。 いつか返してくれる かもよ? そんで、 あんとき話しかけといて よかったーってなるかもよ? 知らねーけど。」 知らんのかい!!!!!! ジトーーッと 烏丸さんの方を見ると、 烏丸さんはゆったりと笑った。 「まあ、無理にとは いわねーよ。 松嶋ちゃんが後悔しない よーに頑張んな。 結局実際に行動するのは 松嶋ちゃんだから、 俺が言えるのはここまで。」 あとは、わたしが 考えて、判断すること、 だと。
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