玉の輿に乗りたいんです

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「松嶋さん、いろいろ 教えて下さってありがとう ございました~~、 ではまた~、」 結局、 うちのお母さんの 強烈な安物推しを全部 かいくぐって、何一つ お母さんの勧めたものは カゴに入れなかった マンダさんのお母さん。 去り際に、 マンダさんがもう一度 クスッと笑った。 そして、 次の日の学校で マンダさんは、 わたしのお母さんが 半額シールを店員に せびっていた、 と見たままのことを クラスの子に言っていた。 「え、松嶋のお母さん そんなことしてるの!? うちのお母さんが そーゆーのする人は 卑しいって言ってた!」 当時わたしが好きだった 男の子にまで知れ渡って、 こんなこと言われました、 ・・・・・・・、 「おかあさんんんんんんん!!!!」 ってことで、 家に帰るなりわたしは お母さんにキレた。 だってだって、 好きな人にまで あんなこと言われたもん! あんなに恥ずかしい 思い今までしたことない!! お母さんは、 一回使って干した ティーパックでもう一度 紅茶を入れながら、 「もう何、帰るなり~、」 って、事の重大さを 分かってなさげな反応。 ていうか! 「ティーパック!! 一回使ったらもう 捨ててよ!! 何回も使うのやめて!」 「なんでよ~、 まだ味が出るじゃない、」 そういう問題じゃない! きっとティーパック 作ってる会社も再利用は 想定してない! じゃなくて!! 「お母さんのせいで 恥かいた!」 わたしがランドセルを 背負ったまま言うと、 お母さんは目をぱちくり。 そしてコロコロ お腹を揺らして笑った。 「恥ってたかが小学校 6年生の子がおおげさな、 何、どうしたの、」 むうううううううっ、 恥に年齢は関係ないから! 「買い物!!! マンダさんがお母さんのこと クラスの子に話したの! 半額シールねだってた って!!! わたしすごく恥ずかし かったんだからね!?」 わたしの言葉に、 お母さんはきょとーん。 「え、なんで??」 「だって、そんな 安いもの買うために 必死になって、」 「だって安い方が いいでしょーが、」 お母さんはヘラヘラ 笑って薄い紅茶を啜った。
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