寂しい夜にほんの少しの幸せを

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世間はクリスマスイブで浮かれているようだが、俺にはこの年末の繁忙期に浮かれている余裕はない。ようやく仕事を終えて時計を見るとすでに時刻は23時を過ぎていた。 「冬休み前の最後のひと踏ん張りとはいえ、さすがに堪えるな……」 会社を出ると、こんな時間なのに幸せそうなカップルと数分おきにすれ違う。独り身の俺にはクリスマス充なんて関係ない。だがこんな時間からでも一人でクリスマスを楽しむ方法はあるのだ。俺だって伊達に長いこと彼女のいない生活を送っていない。ボッチクリスマスを楽しむプロである。
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