寂しい夜にほんの少しの幸せを

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近くのコンビニに入り、スイーツコーナーへと向かう。あらかじめ目を付けておいたクリスマススイーツ。苺のショートケーキの上に小さな星型の砂糖が乗っているクリスマス限定ケーキの存在を、昼休憩のときに確認していた。それを持ってレジへと向かう。 「こちらの商品ただいまキャンペーン中でして、1つ購入するともう1つおまけで同じものをお付けしております。メリークリスマス」 と無感情に今日何度も発したであろう言葉を読み上げ、レジのお姉さんはササっとスイーツコーナーまで行って、レジに持って行ったものと同じケーキを持ってきた。 「いや……一人でクリスマス仕様のケーキ2つはさすがに悲しすぎる……」 普段レジ前でお礼以外の言葉を発することはほとんどないが、なんだかとても寂しい気分になってしまったので、思わず口に出してしまった。 「お兄さんもクリぼっちなんですか?」 独り言のつもりだったのにレジのお姉さんに返答されてしまった。恥ずかしい。 「“も”ってことは、あなたも?」 その質問を引き金にして突然お姉さんが壊れた。
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