第3話それくらいしかできませんから。

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第3話それくらいしかできませんから。

三人での生活に 慣れ始めた三週目目。 家事は僕の担当になっていた。 僕が来る前は分担していたらしい。 だけど、社会人二人は いくら、分担していたとはいえ 帰って来ればクタクタなわけで 僕がいる間は家事くらいしか 手伝えることがないから 有り難かった。 *★*――――*★**★*――――*★* “行ってらっしゃい” そんな言葉を口に出したのは 酷く久しぶりだった。 【元の世界】では母さん達と 暮らしているけど、中学から 部活を始めた僕は早朝に 家を出るようになり 何時しか家を出る時間が バラバラになり、 “行ってらっしゃい”なんて 言わなくなっていたから 二人に言えるのが嬉しい。 だから、この時はまだ 三人共知る由もなかったんだ。 後、一週間で僕が 【元の世界】に戻ることを。
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