俺の親友がなんかいつもと違ぇ

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
 さ、て。まずは生地を決めよう。 「上着は綿で…いいだろ。あと、ズボンが…」 「?」 「やっぱデニムだよなぁ…?」  まずデニムをここで見たことがない。だとすると一回出て買ってこないといけないんだが。 「…。」  こいつ、持って――いや、連れていく訳にもいかないしなぁ。  そもそも、デニムは痛いんじゃないのか?繊維とか結構荒いし。 「…ズボンも綿でいいか。それでいいな?守沢。」 「…? ――。」  俺の質問を聞くと少しぼうっとした後、首をごくごくと頷いた。  …あー、こいつ。天然でこうしてんのかよ。 「――っは、まったく。」 「?」  俺の方の上でキョトンとしているこの猫(千秋)はとりあえずほっといて。 「せめて色だけは合わせるか…。  黒と、白、赤、あと、脱色した藍色…か?あぁ、水色でいいか。」 「……。」 「?」  なんで俺のこと見てんだよ。  というか、こいつ顔熱くなってないか…? 「…!」 「おい、体調悪ぃのか?」 「――!」  顔を真っ赤にして必死に頭を横に振る千秋。 「…まぁ、いいけどよ。  んじゃあ、布は選んだから、寸法ちょっと図らせてくれや。」 「! ――。」 物凄い勢いで頷いている。やはり気の()()だったようだ。 「え~と、まず上半が…。」 ・ ・ ・
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!