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さ、て。まずは生地を決めよう。
「上着は綿で…いいだろ。あと、ズボンが…」
「?」
「やっぱデニムだよなぁ…?」
まずデニムをここで見たことがない。だとすると一回出て買ってこないといけないんだが。
「…。」
こいつ、持って――いや、連れていく訳にもいかないしなぁ。
そもそも、デニムは痛いんじゃないのか?繊維とか結構荒いし。
「…ズボンも綿でいいか。それでいいな?守沢。」
「…? ――。」
俺の質問を聞くと少しぼうっとした後、首をごくごくと頷いた。
…あー、こいつ。天然でこうしてんのかよ。
「――っは、まったく。」
「?」
俺の方の上でキョトンとしているこの猫はとりあえずほっといて。
「せめて色だけは合わせるか…。
黒と、白、赤、あと、脱色した藍色…か?あぁ、水色でいいか。」
「……。」
「?」
なんで俺のこと見てんだよ。
というか、こいつ顔熱くなってないか…?
「…!」
「おい、体調悪ぃのか?」
「――!」
顔を真っ赤にして必死に頭を横に振る千秋。
「…まぁ、いいけどよ。
んじゃあ、布は選んだから、寸法ちょっと図らせてくれや。」
「! ――。」
物凄い勢いで頷いている。やはり気の所為だったようだ。
「え~と、まず上半が…。」
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