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その10 剣崎 「しかし、剣崎さんのZ事案なんか、ガキの事情に精通してないと考えつかない組み立てですな。俺じゃあ到底無理だ(苦笑)」 フフフ…、確かに我ながら今回はガキどもの心理面を巧みに利用できた自負はある Zの経営者は以前から周知してて、相和会には協力姿勢を貫いていたからな まず、星流会がいくつかの店に愚連隊を飛ばせた中からここを選んだ 次に、在○系で最も熱くなってる坊主たちをリサーチしてチョイスした コイツらには、一番対抗心を燃やしてる純血連中が、Zに愚連隊の通ってるのを聞きつけ、在○のイケイケが介入する前に分捕る計画だと吹きこんでやった 一方、純血の中で”その条件”を最も兼ね備えたグループが墨東会だと調べ上げ、こいつらには愚連隊のZに対するシノギ要求を在○のイケイケが割り込んで、対純血の拠点にする腹だと垂れ流した いずれも何重もクッションをあてがって‥ そんで明後日、双方に”奴らがZで決行するようだ”と流す 連中が互いに同じような疑念を抱いてカッカしてるんだ Zで相手と正面に向きあえば、その場で衝突するのは間違いない ... これは黒原の存在がなくなった場合、双方どこかのグループ同志で一度は通過しなくてはいけない儀式の場なんだ ヤツらの内情をつぶさに探った結果、オレはそれを確信した 要するに、相和会がその舞台を提供してやるんだ ゲーム喫茶Zという会場をな せっかくだ、ここで存分にお互いの熱い何とやらをぶつけ合ってくれ ただし、店に損壊が発生した瞬間、然るべき請求を突きつける あしからずだ(笑)
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