2人が本棚に入れています
本棚に追加
その4
坂内と折本の星流会事案は続いていた。
坂内:…相馬の”タマ”を受けて、諸星は意中のガキとタッグを組めるって踏んでるし、それはできるだろう。
折本:そうであれば、相馬はそのつもりで諸星に…?
坂内:折本、相馬はガキと組む諸星のスキーム構想をずっと”承知”していたんだ。その上で、今般のこの対応となればだ、以後、ガキをおっぺした組への挑発にはガキを以って受ける腹さ。相馬は”その気”になったってことだ。
折本:いいんですか、諸星の親筋である東龍会としては…。
坂内:俺と田代はよう、相馬豹一って男を誰よりも知ってるからな…、今回のアレの心はなんとなく読めるんだ。おそらく、あの男特有の遊び心さ。諸星に長年のプランニングを形作らせて、向かってこさせる。さあ、どう出てやろうかと、ニヤケてるってこったわ。
...
折本:ふう…、じゃあ、田代の親分もそう読んでるってことですかい?
坂内:そうだ。フフフ…、こっちとしてはむしろありがたいさ。まあ、この展開は間もなくだ。その結果で、こっちの方針としようや。あくまで東龍会は諸星をアテ物で相和会にちょっかいを出させられるんだから恵まれてる。なあ、折本よう…。
折本:いやあ、そういうことですな。はは…、諸星にフル回転させて、それをこっちがじっくり検証して対策を練れると…。こいつはいい…。
坂内:そう言うことだ。ノボル達とのダッグは諸星のモルモット観察で練り上げていけばいい。うむ…、黒原とかって男もいいタイミングで死んでくれた。相馬もそう願いたいがな(薄笑)
この後、二人はフグ鍋4人前を平らげた。
積年のにっくき相馬豹一を酒の肴に、この日のフグは格別の味であっただろう…。
最初のコメントを投稿しよう!