切符

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仕事が終わったので、寄り道もせずにマンションの一室に帰宅して、シャワーを浴びて、晩飯を作っていたら、呼び鈴が鳴った。 こんな夜中に何だろうと思って、ドアの覗き穴から、覗き見る。 すると、たらこ唇が特徴的な男性が、立っているのがみえた。 この男性が、襲ってきたら怖いなと思いドアのチェーンをかけた状態で、開けて半開きで固定した。 男性は、すこし微笑みながら、すこし開いたところにやってきた。 私を見ると男性は、「夜分遅くに、驚かしてしまいすみません、今日は、あなたにこれを渡したくてきたんです」と言って、チャックの付いた鞄から、切符を取り出して、私に渡した。 私は、「この切符は何ですか」と言って、質問した。 男性は、「あなたが向かうべき場所へ送ってくれるバスの切符です。その場所に向かうバスが、、あなたが通っていた中学校の正門前に、2時に止まります。そのバスに乗り込んでください。」と言って、すこし焦ってるような口調になった。 「早くあけて、今すぐ向かってください」と言って、ドアを上下に揺らす。 私は、携帯で、時間を確認してみた。時刻は、01時を回っていた。 ここから中学校まで、自転車で、30分は、かかる。 この切符を捨てて、何事もなかったことにしたら、とも考えたが、明日は、休みだし、行ってみることにした。 私は、「わかりました。行きます」と言って、ドアを開けて、階段を駆け下り、たらこ唇の男性と一緒に母校へと向かった。 2時前に、中学校にたどり着いたので、男性とバスが来るまでの間、すこし話をした。 男性は、「ある日このバスの話を友達から聞いて、興味があったので、バスに乗ってみようと思って、友達からねだって切符を手に入れたんですが、友達のものなので、却下されてしまったんです。 そして、今日郵便受けに、切符が2つと、何かメモの切れ端のようなものに、住所が書かれてあって、ここに住んでいる人も誘うようにと書いてありました。 女性だったら、いいなと、期待しながら、あなたが住んでいるマンションの一室に、押しかけてきたんです」と語った。 私は、「あぁ、そうですか」と言って、あいづちをうっていると、バスがやってきた。 私たちは、バスに乗り込んだ。 すると運転手が、切符を見せるようにと言ってきたので、見せると、「わかりました。」と言って、向かった。 私は行き先がわからないまま、私と男性は、目的地につくまでの間会話をした。 私は、前々から実は、男性に見覚えがあったのである。 私は勇気を振り絞って、「私たちどこかで会ったことありませんでしたっけ」と聞いてみた。 すると男性は、「思い出してくれましたか。私のこと、私はあなたに中学生の頃恋をしていまして、あなたは、私のことを振ったんですが、私は、諦めきれなくて、病気で亡くなった時に思ったんですよ。あなたと一緒に、人生を過ごしたかったって」と赤裸々に語った。 私はえっ、どういうことなんだろうと思って、「郵便受けに手紙と切符があったという話は嘘なんですか」と聞いたら、男は「あれは嘘ですよあなたに怪しまれたくなかった口実ですよ」と言って、微笑んだ。 一気に不安になってきた私は、「私はどうなるんですか」と早くこのバスからおろして欲しいと思いながら、つぶやいた。 そしたら、男性は、冷静な態度をとりながら、「私とあの世で一緒になるだけですよ」と一言言った。 バスの運転手は、目的地についたことを2人に知らせた。 白い霧が周りを覆っていて、何も見えないようなところだった。 うっすらと見える女性が、「おかえりなさい」と言った声がした、 男は、落ち着いた表情で、「うん、ただいまあなたのお友達連れてきたよ、そして私の彼女さんよろしくね」と言うと、男性は、私を古民家のような場所に案内した。 男性は、「ここは、何をやっても怒られない。生きていたときには、出来なかったことを、骨の髄まで体験してやるわぁ」と言って、私を、まるで、お人形さんのように、扱って、私を堪能してくれた。アハハアハハアハハハハハ………
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