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「真鍋先輩、ごめんなさい。私……先輩の良さを皆にわかってもらいたくて、おかしい行動ばかり取ってました」
「そんなことだろうと思ってた。佐倉さんは真面目な子だしね」
「……本当に、ごめんなさい」
「どうして、そんなことを?」
「それは……私が、もうすぐ引っ越してしまうから……それと……真鍋先輩のことが、好きだから……せめて、私の置き土産で真鍋先輩が皆に好かれて、楽しく残りの学園生活を過ごせればって……私の、エゴで……」
言えなかったんだ。もうすぐ引っ越してしまうから、そばに居たいとも。一緒によい思い出を作って欲しいとも、言えなかったんだ。だから私は、踊ったんだ。泣きじゃくる私を真鍋先輩は優しく抱いてくれた。
「ありがとう、佐倉さん……ちょっと複雑な行動だけど、気持ちはうれしい」
「真鍋先輩はやっぱり優しいですね。あんな迷惑行為をした私にありがとうなんて」
思わず私から笑いがこぼれる。どこまで善人なのだ、真鍋先輩は。
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