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「人間、間違わない人が居るわけないだろう? それに、気持ちは伝わったから……」
「伝わったとしても、いやでしょう、こんな女の子に好きって言われても……」
「そんなことない。ボクは君が好きだよ? 君に憧れて今のボクはあるのだから」
「! 真鍋先輩」
「まあ、もう、元の君に戻って欲しいけどね。作り物の悪評を置き土産にして引っ越されては困る」
「どうせ、もう遠くへ行くんですから関係ないですよ。私の悪評なんて……」
不満そうな真鍋先輩を見て、私の涙は止まる。そして気づく。皆が息を殺して私たちを見てると。そういえば、ここは廊下だった。
「すげー、公開告白……」
「やるじゃん佐倉」
(ひえ……!)
「佐倉、逃げるぞ!」
「は一真鍋先輩っ」
思わず手を取りだして私たちは逃げ出す。そして人気のない場所に着くと、目を合わせて息を切らせ思わず笑い合う。
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