3人が本棚に入れています
本棚に追加
「廊下は走っちゃいけません、真鍋先輩」
「……だな」
「でも、本当に真鍋先輩に出会えて良かった。幸せでした、この半年間……いい思い出ができました」
もう、会えなくなるから付き合ってくださいとは言わない。
だけど。気持ちを正直に伝えることができて、本当によかったと思う。嘘偽りないホントの気持ちを、言えてよかった……。でも本当は。
「離れたくないです。真鍋先輩っ」
「ボクもそうだよ……せっかく気持ちがつながったのにね」
「でも、もう決まってることだから。お父さんの仕事の都合だし、どうにもできない。私の家はお父さんが稼がないとやってけないから……」
(お母さんは専業主婦しかできない人だし)
だから。仕方がないのだ。諦めていい思い出にするしかないのだ。うん。
「ところで、どこに引っ越すんだ?」
最初のコメントを投稿しよう!