ダンスの理由

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 悲しげな顔をしそうになって私は慌てておどけた表情を作る。 「私みたいなのを注意するのが真鍋先輩の仕事なんだから、がんばってよ真鍋先輩」 「君はっ、どうして今更こんな風に変わって……! 今までずっと一生懸命僕と風紀委員をしていたじゃないか!」 「もう、あんなの飽き飽きしただけよ」 「わけがわからない」  ……わかってたまるもんか。真鍋先輩には、一生わかられたくない。知らなくていい。理解できなくて、いいんだ。堅物過ぎて融通が利かないけど、お人好しの真鍋先輩。私は貴方が好きです。大好きです。だからこそ。 (いつだって私を助けてくれたよね……勉強がわからなければ徹夜でノートを作ってきてくれたり、重い荷物は誰のでも率先して持ってくれるよう な人)  馬鹿がつくぐらい、いい人。ソレが真鍋先輩。  だけど、愚直なぐらい真面目なの。ソレも真鍋先輩。
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