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(本当は髪を染める気もなかったけどね)
ソレ位にわかりやすく変わる方が、目的にはちょうどいい。
「でもさー佐倉さんって派手な割には……」
「アレじゃない? 元が真面目だからはじけ方がわからないんじゃないの?」
「あー……地味だったもんね、佐倉さん。真鍋先輩の金魚の糞だったし」
「言い過ぎだってば」
(いや、真面目にそうだったと思うよ?)
内気で、引っ込み思案で。そんなあたしにとって真鍋君まっすぐで、まぶしい憧れの男の子だった。誰彼かまわずだめなことはだめという。そんな姿に憧れた。
「そこ! 人の悪口を言わない! 廊下で固まるな! 邪魔だろう!」
「すみません風紀委員長!」
(相変わらずだなぁ……)
未だに、あのことを思い出す。私達が、入学したあの日。
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