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今日も朝から、ママの叱責が飛ぶ。
「ちょっと、シンデレラ、まだ客室のおそうじが済んでないわよ」
「はい、ママ、大きいお姉さまのお部屋のおそうじが終わったらすぐに」
「なによ、まだそっちが終わってなかったの? まったくもう、グズなんだから」
「はい、ママ、ごめんなさい」
こうしてあたしは朝から晩まで、おうちのおそうじに追われる。古くて、ただ大きいばかりのおうちのおそうじは、一日かけても全部が終わらない。あたしは働き続ける。
あたしがそうしておそうじをしている間、ふたりのお姉さまたちは、毎日きれいにお化粧し、きれいな服で着飾って、買い物や、習いごとに出かけていく。
あたしのほうは、おうちから出ることさえかなわないというのに。
ため息をつきながら、あたしはおそうじを続ける。
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