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「いいんですか?昌樹さん。お母様はいいとおっしゃられていますが・・・・。」
俺は即答したかったが、ちょっとカッコつけたくなった。
「あ、ええと・・・・。ちょっと友達と相談してもいいですか?こちらからお電話します。」
俺は電話を切ると母親にキレた。
「俺の電話に勝手に入ってくるなよ。俺が小学生みたいじゃないか。」
「あら、そうだった?ゴメン。でも芽亜里さんに会いたい気持ちはあるんでしょ?」
母親の杏子は俺を小馬鹿にした感じで言った。
「うるせえなー、見透かしたような事を言うなよ。」
俺は階段を登って自分の部屋に籠った。ベッドに仰向けになると、またあの人に会える嬉しさに包まれた。母親の言う通りの自分に苛立った。
「早めに返事しなさいよー、芽亜里さんだって仕事の都合があるんだから!!」
下から叫ぶ杏子の声に益々苛立った。母親は俺を小学生扱いする。いつもは母親なんてそんなものか、と気にしないのだが今日は何故か無性に腹が立った。
「分かりきった事をいちいち言うな!!」
俺は2階の部屋で仰向けになったまま怒鳴った。母親には聞こえていないだろう。
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