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「ハーン、今度は随分とオーソドックスな感じの依頼ですね。面白味がなさそう。」
譲二がアイスティーのストローをジュルジュル鳴らしながら言った。
「仕事なんてそんなものよ、人の見たくない所が見えるものよ。」
金森さんがそう言いながら、譲二のコップをなかば無理矢理のように持ち去った。譲二は気まずそうな顔になった。
「それが、意外とそうでもないんです。」
芽亜里の言葉に俺と譲二は顔を上げた。
「そうでもないって、何がですか?」
俺が訊くと、芽亜里はファイルの中から紙を一枚取り出して俺達に見せるように置いた。
『依頼者 江原真奈美』
「江原真奈美って女優いるけど、まさかその女優だっていうんですか?」
俺が訊くと芽亜里はゆっくり頷いた。
「そうなんです。私も最初はからかわれているんだ、と思いましたが本人が直接此処に来たので私もとても驚きました。」
「えっ!!嘘でしょう?江原真奈美ってドラマに引っ張りダコで、歌も上手いですよね。コマーシャルにも出てるし、こんな田舎の探偵事務所に何で・・・・、あ、スイマセン。」
俺は芽亜里の顔色を伺った。
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