魔界のクリスマス

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魔界のクリスマス

今日は人間達の世界で、クリスマスというイベントが行われているらしい。 だからなのか、魔界でもイベントが行われた。 「皆ぁ!あたしからのプレゼントを受けとれぇ!」 魔界アイドルであり、幼馴染みのミカ。 「うおおおお!」 ファン達がミカに向けて、熱を上げている。 今では人気だが、アイドルに成り立ての頃は苦労していた。 お願いもしてないのに、勝手にファン第一号にされたんだよな…。 だから、今日もミカの応援に来ている。 ミカはサンタという人物の衣装を着ている。 スカートが短くて、ついつい目がいってしまう。 「メリー!クリスマス!」 リボンの付いた箱を、ファン達に向かって思いっきり蹴り飛ばした。 「ぎゃあああ!」 「ミカちゃん最高ぉぉぉ!」 「ぐぇ!幸せー!」 プレゼントを受け取ると同時に爆発し、ファン達は次々と吹き飛んでいく。 皆、嬉しそうだ。 ミカに目を向けると、目が合った。 周りは爆発で騒がしいのに、時間が止まったような気がする。 「……」 「……」 数秒ぐらいだろうか…いや、もっとあったかもしれない。 「くらえー!」 我に返った時には、プレゼントが飛んできていた。 「うおっ!?」 両手で受け取り、爆発する!と目を瞑ったが何も起きない。 ゆっくり目を開けると、プレゼントの蓋が開き、何かが飛び出してきた。 デフォルメ化されたミカの人形。 結構可愛いな…。 「ばーか」 …やっぱり可愛くない。 「その人形、可愛いでしょ?」 いつの間にかミカが目の前にいた。 「ばかって言わなければ可愛いけどな」 「あんただけに送ったんだから、喜んでよね」 皆にも送ってやれよ、と言おうと思ったが、なぜか言えなかった。
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