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○○○○○○作者からのお知らせ
この物語は、
前々作 ニューキーツ/少女戦士 膝を抱えての段:トゥシー・イントゥ・ザ・ヒューチャー第1話(完結)
前作 サントノーレ/少女戦士 翼に包まれての段:トゥシー・イントゥ・ザ・ヒューチャー第2話(完結)
からの続きです。
すでにお読みくださった読者の皆様は、このページ(下記の説明)はスルーして、第一章に進んでください。
■前々作、前作をお読みでなく、この編からお読みくださる皆様へ。
このパリサイドは、前々作、前作をお読みくださっているものとして書いております。
この物語も、一つの物語として成立しているつもりですが、その背景となる部分は、テンポの都合で、特別な部分を除き、ほとんど表現していません。
できましたら、前々作、前作からお読みくださるとうれしいです。
■前々作、前作を《かなり以前に》お読みくださった方のために、前作までのあらすじと少々の解説を掲載させていただきました。
そんなことがあったなあ、という感じで以下をお読みくださいませ。
もちろん、飛ばしてくださっても、ざっと斜め読みでも、本作をお楽しみいただくにはそれほど支障はありません。
本作をお読みいただく中で、「意味わからんし」というときに、お読みくださっても結構でございます。
●ごくごく短いあらすじ(この物語の背景)
※ご注意ください
以下の解説は、ミステリー小説の形をとっている前々作、前作の完全なネタバレになります。
27世紀、地球の人口は減りに減り、地球上にある街は63までになった。
その一つ、アメリカ大陸にある小都市ニューキーツ。
東部方面攻撃隊の面々が、地球に来訪したパリサイドや人類の生存を支えてきた人造人間アンドロに対峙していた。
パリサイドとは、かつて宇宙に飛び立った神の国巡礼教団解体後の組織。
人類が太刀打ちできない技術を伴って地球に帰還してきたが、その要求は、ともに地球で暮らすこと。
宇宙空間を自由に飛び回り強大なエネルギーを秘めた、黒い、アシカのような肉体。中には姿かたちを自由に変えることのできる者もいる。
その中に、主人公イコマの最愛の人、ユウがいた。
そのころ、若き美貌の長官レイチェルは廃棄された巨大ハドロンゴライダー・エーエージエスに幽閉され、政府ではアンドロ、タールツーが暫定長官を名乗っていた。
東部方面攻撃隊はレイチェルを救い出したものの、反レイチェル派のアンドロから送られてきたクローン、サリによって刺され、地下の激流に消えた。
アンドロに支配されたニューキーツ政府を取り戻すため、地下洞窟から地下スラム街エリアREFに移動したンドペキ率いる東部方面攻撃隊。
散発的に起きるアンドロとの戦闘。
レイチェルの死を秘匿し続ける東部方面攻撃隊は、エリアREFの市長からの依頼を断り切れず、カイロスの刃なる宝物を手に入れるため、スジーウォンとスミソをユーラシア大陸北部の村、ロア・サントノーレに向かわせた。
レイチェル騎士団と同流を果たし、政府建物に侵攻を開始したその時、極大化した太陽フレアが地球を襲った。
人々が地下深くの避難居住区に殺到する中、大昔の科学者カイロスが開発したある装置が起動される。
しかし、その装置の起動は不完全だった。地球は太陽フレアから守られず、地表はもう人が住むことができない。すべての電力は落ちた。
そんな事態を見越して、カイロスはもう一つの装置をアンドロ次元に用意していた。次元の莫大なエネルギーを制御し人が住める環境に整える装置。
そこへ殺到する人並みに抗えず、東部方面攻撃隊の主要なメンバーもアンドロ次元に押し流されていく。
装置を動かすキーとなるアンジェリナ。彼女に恋するセオジュン。彼らを慕うニニ。
パキトポークら数名の隊員を残し、ニューキーツに戻ってきたンドペキを迎えたのは、累々と続くアンドロの焼死体だった。
パリサイドが地球に帰還した目的。
故郷の星で暮らしたいという純粋な気持ちからだったが、もう一つの目的もあった。
それは地球が太陽フレアに襲われることを予測し、人類の避難先になること。
生きて戻ってきたレイチェル。
元々、パリサイドに友好的だった彼女の決断。
ニューキーツの市民はパリサイドの申し入れを受け、宇宙船に乗り込んだ。
ニューキーツ長官レイチェルとは。
彼女はホメム。つまり人造的な要素のない生粋の人類。
明らかにされた彼女の秘密。
彼女自身が、アンドロのものとなったニューキーツ暫定長官を名乗ったタールツー、その人であった。
アンドロのタールツーを解体処分し、タールツーになりすましたホメム、キャリー。
彼女は、真性人類の子孫を残すため、アンドロのように時を遡り、レイチェルとしてニューキーツに戻ってきたのだった。
そして恋人探しの人形として二体のクローンを作り、街に放った。
それが、東部方面攻撃隊に入隊したチョットマと、後にレイチェルを刺したサリである。
その人形から情報を得て、レイチェルは攻撃隊の隊長ンドペキに恋心を抱き……。
物語は動き始め、謎が謎を呼んだのであった。
●「人類」の構成説明 6分類
○パリサイド
数百年前、宗教集団である「神の国巡礼教団」が宇宙に巡礼の旅に出たが、その後、異なる肉体を得て地球に帰還した人々は自らをパリサイドと名乗った。
教団が宇宙に飛び立つとき、地球政府は、凶悪犯罪者などを、いわば「島流し」としてその船団に押し込んだ。
ユウはその一人。(パリサイド社会での呼び名はJP01)
アヤの身代わりとなって、当時地球の最先端技術であった宇宙空間に浮かぶ生産拠点と地球を結ぶパイプライン「光の柱」の守り人(光の女王)だったが、その権利と力を行使してイコマを生き返らせた罪による。
※この物語「パリサイド」によって、彼らがどうして生まれ、生きながらえてきたのか。そもそも何者なのか、が明らかになっていきますのでお楽しみに。
○ホメム
普通の生殖によって生まれてきた人類。今や地球上に63人。
パリサイドの宇宙船に乗り込んだのはレイチェルただ一人。他のホメムは地球にとどまったが、生存は不明。
○アギ
六百年前、生きながらえる形として、肉体ではなく記憶を選んだ人々。電脳の世界で生きているリアル社会での接触は、コンフェッションボックスというバーチャル装置とフライングアイという小飛翔体。
ただ、パリサイドによって、パリサイドの体を与えられた者は、宇宙船に乗り込んでいる。
主人公イコマはその一人。
○マト
六百年前、記憶ではなく肉体を選んだ人々。死ねば肉体は再生されたが、記憶は失われていく。
一般市民はこのマトが主。
主人公ンドペキはじめ、東部方面攻撃隊の面々はほとんどがマト。イコマの養女アヤもマト。
○メルキト
ホメムとマト、マトとマト、マトとメルキト、メルキトとメルキトの間に生まれた人々。
愛し合う、という意識が薄れたことによって、メルキトの数は多くはない。
○アンドロ
使役のために製造された人造人間。
現実的には、アンドロによって地球人類は生かされているという状態。
別次元に住み、この次元に「通勤」している。
感情をあまり持たず、命令には忠実。ただ、各アンドロの「性能」にはかなりの差があり、中には、人の持つ「愛」という感情を持ちたいと願うものもいる。
レイチェルのSPハワードやマリーリがそうであったし、タールツーもその一人だった。
○クローン
ホメムが作り出した自分用コピー人間。
主人公チョットマとその親友サリは、レイチェルが恋人探しのために作ったクローン。
ンドペキはマトになる前、ユウが作り出したイコマのクローンだった。
同じく、スゥはマトになる前、ユウが作り出したユウ自身のクローン。
クローンとはいえ、本人とは完全に別人格で、容姿も似ているという程度。記憶は、本人のものを引き継ぐかどうかを決めるが、当然のように忘れていく。マトやメルキトの「再生」より精度が劣る。
●ご留意いただきたいこと
この物語では、年齢はほとんど意味を成しません。
なぜなら、マトもメルキトも、アンドロも、何度も再生され、あるいはアンドロ次元を経由して時空を超えて過去に遡って生まれ変わってくるからです。
例えば見かけ年齢35のスジーウォンは、マトということになっていますが、実際はメルキトかもしれないし、マトだとすれば数百年を再生され続けながら生きてきたからです。
○マトやメルキトの再生
同一人物として再生され、容姿や記憶は引き継がれていきますが、その記憶はどんどん薄れ、やがて自分が大昔は何者だったのか、なんという名前だったのかさえ、分からないことがほとんどです。
まれに再生のミス(誤差)によって、年齢や容姿もかなり異なった状態で再生されることもあります。
○アンドロの再生
ベータディメンジョン(アンドロの次元)から特殊なゲートをくぐって、こちら側に出てきます。
その時、リアルタイムではなく、何年か分の時間を遡ることができます。つまり、同じアンドロがこの世界に同時に存在することになります。
これによって、すでに製造されなくなったアンドロが街にたくさん存在することになり、人々が使役し続けられたのです。
アンドロの再生は、マトやメルキトと違って、記憶はそのまま持って来ますが、人格としては別です。
○ホメムの再生
再生と言えるかどうか別にして、元長官キャリーが、アンドロの再生を流用してレイチェルとして戻ってきました。レイチェルはキャリーの記憶を持っていましたし、自分の責務も理解していました。しかし、人格としては別でした。
●その他の主要用語
○ベータディメンジョン
アンドロが住む次元。アンドロたちは「ホームディメンジョン」と呼んでいる。
太陽フレアを逃れニューキーツから避難した人々が今も住んでいるはず。その中に、東部方面攻撃隊の幹部であるパキトポークもいる。
パキトポークとレイチェルSPのヌヌロッチが人々を統率しているはずだが、そもそもその次元にはすでにアンドロはそれほど多くない。ほとんどのアンドロが人類を救うためこちらの次元に移動し、結局は太陽フレアに焼かれて死んだ。
○エーエージーエス
そんなアンドロの死体は、かつての科学の産物である実験装置、巨大ハドロンゴライダー「エーエージーエス」に、今も積み重なっているだろう。
ここはベータディメンジョンからの出口の一つであり、牢獄でもある。アヤとレイチェルはここに閉じ込められたのだった。
この施設の主であるオーエンとの問答の末、ンドペキたちはアヤとレイチェルを救い出したのであった。
○エリアREF
ニューキーツ地下のスラム街。表向きはスラムだが、もとはと言えばここがそもそもの街「サントノーレ」である。
●主要人物紹介
※この物語「パリサイド」から新規登場の人物を除く
たくさんいますが、この物語「パリサイド」をより楽しんでいただくために、用意しています。
ほんのざっとだけ、ちらりと、目を通していただくと嬉しいです。
主人公グループ
○イコマ
アギ 元大阪在住の建築家
今は、パリサイドの体を持っている
○ユウ
パリサイドの軍中間幹部
イコマの恋人 大阪で同棲生活をしていた 当時は元モデル・歌手(つまりほぼ無職) 見かけ年齢25
○ンドペキ
イコマの六百年前のクローンであり、今はマト
一時はイコマの意識と同期していたことがある 東部方面攻撃隊の前隊長 見かけ年齢40
○チョットマ
東部方面攻撃隊隊員
ンドペキの部下でンドペキに恋するが相手にされなかった
レイチェルのクローンであり、その使命がレイチェルの恋人探しであったと知る 見かけ年齢18
主人公周辺の人々
○アヤ
マト ニューキーツ治安省勤務だった(盗聴係)
レイチェルの親友 イコマの元養女 今はンドペキの娘
大昔、京都山奥の村で「聞き耳頭巾」の使い手としての訓練を受けた
聞き耳頭巾とは、鳥の声、木々の声、石の声が聞き分けられるという伝承の宝物 見かけ年齢20過ぎ
○スゥ
ユウのクローン ニューキーツの職業呪術師
一時はユウの意識と同期していたことがあり、ユウに代わってンドペキを助けた 今はンドペキと結ばれている 見かけ年齢30
○レイチェル ホメム ニューキーツ長官 前長官キャリーが年月を遡ってこの世に出てきた
ンドペキを好きになったが相手にされなかった 見かけ年齢20過ぎ
その仲間?たち
○サリ
元東部方面攻撃隊隊員 ンドペキの部下 チョットマが慕う
レイチェルのクローンであり、その使命、レイチェルの恋人探しが終わったことで死亡処置
しかし再生後、アンドロに操られレイチェルを殺そうとする その後、和解 見かけ年齢20
○スジーウォン
マト?
東部方面攻撃隊の現隊長
前々隊長のハクシュウに恋心 高い攻撃力 見かけ年齢35
○コリネウルス
マト? 東部方面攻撃隊幹部 参謀役 見かけ年齢45
○パキトポーク
マト? 東部方面攻撃隊幹部
ベータディメンジョンに避難市民とともに残った 高い攻撃力 見かけ年齢40
○プリブ
マト?メルキト? 東部方面攻撃隊隊員
変装の名人 見かけ年齢30
○スミソ
マト?メルキト? 東部方面攻撃隊隊員
俊敏性はチョットマと並んで隊随一 スジーウォンと共にロア・サントノーレに旅した
サントノーレで死亡したが、パリサイドに助けられ、今はパリサイドの体をもっている 見かけ年齢30
○ライラ
マト? ニューキーツの職業呪術師 スゥの師匠であり商売敵だった
チョットマが慕う 見かけ年齢75
○ホトキン
マト? ライラの現在の夫 科学者 エーエージーエスの技師 オーエンの右腕 見かけ年齢70
○イエロータド
アンドロ エリアREFのバー・ヘルシードのマスター
長官付きのスパイだった 見かけ年齢60
○アンジェリナ
アンドロ レイチェルの元SP
現在はベータディメンジョンにて、そこを人が住める環境に保つ装置をコントロールし続けている 見かけ年齢20
○ハワード
アンドロ のちのセオジュン レイチェルの元SP
チョットマを守る(監視する)任務だった 現在はアンジェリナと共にベータディメンジョンに SPだったころの見かけ年齢35
○ニニ
アンドロ エリアREFにてアンジェリナの話し相手が任務
現在はベータディメンジョンにいるはず 見かけ年齢16
○ヌヌロッチ
アンドロ レイチェルの元SP アンドロ次元でイエロータドと共に市民を統べているはず 見かけ年齢50
○マリーリ
アンドロ レイチェルの元SP 今もレイチェルと共にあり、秘書役をしている
アンジェリナの母(真偽不明) 見かけ年齢40半ば
故人
○キャリー
ホメム ニューキーツ元長官 今のレイチェル 死亡時年齢75
○ハクシュウ
マト?メルキト? 東部方面攻撃隊元隊長
カイロスの民として特殊な使命を担っていた ブロンバーグと刺し違える 見かけ年齢55
○クシ
マト?メルキト? 刺客 ハクシュウの弟
カイロスの民として特殊な使命を担っていた ブロンバーグに殺される 見かけ年齢?
○ブロンバーグ
サントノーレ市長(エリアREFの長) カイロスの民 見かけ年齢70
○オーエン
マトだったが、特殊なアギになった その経緯は不明 科学者 エーエージーエスの元幹部
装置廃棄後は特殊な電脳存在となってエーエージーエスに巣食う パリサイドを憎む アヤの脚を切断した
太陽フレア襲来によって消滅したはず 声音年齢65
○タールツー
アンドロ ニューキーツ治安省元長官 愛という感情が欲しいとホメムに直訴したため解体処分に
○ゲントウ
マト? かなり前に死んだ科学者 オーエンと元同僚?
太陽フレアから地球を守る装置、およびベータディメンジョンを人が住める環境に保つ装置を開発した
アンジェリナの父(ということになっている)
お疲れさまでした。
それでは、本作「パリサイド」をお楽しみください。
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