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火竜に乗って
朝の朝食で、今日の事を話し合った。
昨日の夜にお母さんが用意したミリアに城まで来てもらう手紙を朝一で送り、ミリアが来るまで、お祖母ちゃんとティオは封印師の修行。お母さんは公務。私は部屋で待つ事になった。
部屋に戻ってから1時間も経っていないのに、ミリアの到着を知らせにハレさんが部屋に来る。
「え? もう来てくれたのっ!」
昼ぐらいになるだろうと思っていて、私はリナと、どの和菓子にしようか悩んでいたところだった。
(リナ、また後でね。)
《ちゃんと再会を楽しんでくること。私の話はその後ね。判った?》
私が「はい。」と答えると、笑みを浮かべたリナの意識が消える。
「モカ、いこっか。」
私の腕の中に飛んでくるモカを抱いて、ハレさんと一緒にミリアの待っている部屋に向かった。
普段の謁見室ではなく、以前ミリアの訪問に使っていた部屋に入る。
ここは知人や友人などを招く部屋だと、ハレさんに教えてもらう。
部屋にはミリアとロイさんが席に着いていて、執事の人がお茶の準備をしていた。
フィールはミリアの肩辺りに浮かんでいる。
「おはようございます。」
私は一礼をして勧められ対面の席に座る。
フィールがモカを気にしている様子だったので、モカをテーブルの上に座らせた。
「ミリア、お久しぶりです。お兄さんも元気そうで。」
ゴーレムとして、人では無くなったミリアのお兄さんに、『元気』という単語はおかしな話だったけど、間違っては無いと思った。
「なおも変わってないわね。安心した。」
ミリアの久しぶりの笑顔に私は笑顔で返す。
「モカもフィールちゃんと、なにか話さないの?」
いつもと変わらないモカの姿と対象的に、フィールはソワソワしている。
「元気な姿見れたので、僕はそれだけでいいです。」
いつもと変わらないと思っていたモカの声に、嬉しさがある事が伝わってきて、
「そっか。そうだよね。」
配られたお茶を一口飲んだ私は、
「それにしても、こんなに早く来てくれるって思っても見なかったけど、フィールちゃんに私達が来てる事、教えてもらったのかな?」
ミリアの笑いそうな笑顔でその答えを知る。
「ええ、そうよ。今日の昼にでも来るつもりだったんだけど、ルミナ様の手紙が届いたから急いで来た感じ。頼みたい事があるとだけ書かれてたのでそれも気になってね。」
私は、お母さんがまだ来ないのが気になっていた。
「ルミナさん、どうしたのかな。もう来ていると思ってた。」
扉が開く音が聞こえ、振り向くとお母さんと一緒にお祖母ちゃんとティオも一緒に入ってきた。
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