火竜に乗って

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「お待たせしました。ミリアさん、急なお呼び出しにありがとうございます。」  ミリアとロイさんが席から立ち上がり、その場で一礼をする。 「いえ、大丈夫です。今日の昼ぐらいに、なおさんを訪ねようかと思っていましたので。」  私も慌てて立ち上がり、儀礼的な挨拶をした。  私を挟んでルミナ王妃とティオが席に着く。  お祖母ちゃんはルミナ王妃の隣に座ったので、家族の年齢順になってると私は心の中で呟いて、少し顔が綻んでしまった。  それから私達は席に座り、ルミナ王妃からミリアに手紙の内容を説明する。 「分かりましたました。単独行動の危険性は承知していますので、是非私にお手伝いさせてください。リナ様ならお独りでも大丈夫だとは思いますが、外界では何があるか判らないですし。」 「ありがとよ。わたしが行けば済む話しだったんだけどね、ティオと指導の約束をしているので、すまないね。」  頭を下げるお祖母ちゃんに、ミリアが慌てて返すように頭を下げる。 「シェラ様の代わりなんて、とても光栄の事です。全力で務めさせていただきます。」 「そんな難しい頼みごとじゃないから気楽に行ってくるといいよ。外界を知る良い機会になるだろうよ。」 「はい。ありがとうございます。」  何故、お祖母ちゃんがミリアを指名したのか私はなんとなく理解する。たぶん、ティオもお母さんも気付いている。 「それで、リナ様は今どちらに?」  ミリアの言葉でルミナ王妃の視線が私に向けられる。  今、部屋には家族と、ミリアとロイさん、フィーネとモカだけになっている。執事は話し合いの前に退席してもらっている。  ミリアが今回の依頼に同意したら、リナの事を教えると家族で決めていたから。  私は目を閉じて、 (リナ、よろしく。)  リナの返事が聞こえ、わたしの意識が体から離れた。  髪の色が黒から銀に、そして少し伸びる。髪型でいったら、ミディアムからセミロングぐらいになる。  目を開け、銀色の瞳を見せた少女にミリア達は当然の驚きを声に出す。 「ひさしぶりね、ミリアさん。ロイさんも問題ないようですね。」  ミリアは冷静になろうと言葉を選ぶ。 「あっ! はい。えっと…リナ様となおは?」 「ちょっと! これはどういう事ですの!」  ミリアの会話を遮るように、フィールが大きな声を出す。 「フィール、どうしたの?」  ミリアの問いに、 「ちょっと、今から私と視覚を共有しますから、見れば判ります。」  ミリアはフィールの言った意味を理解する前に、リナ様の隣に立っている私へと視線を向ける。 「えっ! なおが幽霊に?!」
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